花の天使T
□〜山崎〜7
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某日
副長のマヨネーズを買いに定期的に通うようになった大江戸ストア。
前は買い出しが苦でたまらなかったけど、そうじゃなくなった。むしろ楽しみ♪
大江戸スーパーより近いし楽になったのもあるけど、なんたってあの娘に逢えるから。
「こんにちは、弥生さん」
「あ、山崎さん。こんにちは」
今日も笑顔が眩しいなぁ。
ホント弥生さんの笑顔って和むよ。
見ると疲れなんて吹っ飛ぶし頑張ろうって思える。
「いつもの、ですよね」
「はい。いつも、すいません」
「チョット待っててくださいね」
弥生さんは店の奥に向かっていった。
俺は弥生さんが気になっていて、もっと知りたいとか仲良くなりたいと思っている。
最近江戸に出てきたばかりと聞いた日には、いや見ない顔だからそうだとは思っていたけど監察の俺が長年培ってきた色々な江戸の裏情報で町を案内しようと思った。
だが彼女の口から出た言葉は――「銀さんに案内してもらいました」だった。
……銀さんって、万事屋の旦那だよな?
訊いてみれば旦那は、ここの常連らしい。
チェーン店なんだから、かぶき町にだって大江戸ストアはあるのにわざわざ遠いここまで足を運ぶのは、どう考えても弥生さんが居るからだろう。
それに気づいた時は、なんとも複雑な気持ちになったが弥生さん目当てなのは旦那だけじゃなく他ならぬ俺だってそうなんだ。
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