誕生日、他ネタ
□Merry Christmas〜万事屋
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目覚めて襖を開けた銀時は破裂音で、まだ寝ぼけていた頭を覚醒された。
「「「メリィ〜クリスマ〜ス!!」」」
クラッカーを手にした神楽、新八、お妙を銀時はまたたきして見る。
「……お前ら」
「もうお昼ですよ銀さん。起こさないと、いつまでも寝ているんですから」
「早く着替えてきてくださいな。クリスマスパーティーしましょ」
「姐御が料理に腕を振るってくれたアルヨっ!」
「クリスマスケーキもありますから、食後に食べましょうね」
クリスマスパーティー? と思いながら銀時が見回してみれば派手に装飾された居間。
よくある折り紙の輪っかを繋げたカラフルなチェーンが天井を彩り、クリスマスツリーが目を引く。
三人は光沢のある色違いのとんがり帽子を被っていて、定春の頭部にも。
そしてテーブルに並んだ料理。
お妙が腕を振るったと神楽が言ったが、きちんとした料理で暗黒物質ではない事に、どう考えてもお妙じゃなく新八が作ったと思ったが後が怖いからそういう事にしておこう。
料理を平らげて、お妙がクリスマスケーキを切り分けていると色紙を手にした神楽は嬉しそうに言う。
「銀ちゃんっ! 北島五郎の写真付きサインありがとっ! 私ごっさ嬉しかったネっ!」
「ああ、そりゃよかった」
「僕も、お通ちゃんのサイン入りギター嬉しかったですよ銀さん。一生の宝物です」
「おお、大事にしろよ」
すると突然、二人が表情を曇らせてしまって銀時は何かと思う。
「どうしたよ」
「……私達、何も用意してないネ」
「銀さんはくれたのに、僕達は……」
そんな事かと銀時は、ため息をついた。
「バーカ。ハナから期待してねぇよ、んなモン」
表情を曇らせたまま、うつむいている二人に銀時は続ける。
「だァーッ! もう、んな辛気くせぇ顔すんなや。パーティーが台無しになんだろ。いいんだよ、お前らが元気でいてくれりゃ俺は。怪我や病気とかしねぇで元気に年越せりゃ、来年も笑ってパーティーできんだろ」
銀時の言葉に新八と神楽は顔を上げる。
「来年もパーティーしようや」
「うんっ!」
「そうですね」
「はい、ケーキですよー」
「お、美味そうだな。やっぱクリスマスはケーキだな」
ケーキを食べながら来年だけじゃなく毎年パーティーが出来ればいいと思っているのは、新八と神楽だけではないはず。
二人の視線の先で、笑顔でケーキを頬張る彼も……
続・銀時の苦労
【終】