小説みたいなの

□Afterwards...
1ページ/3ページ

二度とオズには戻れない───。

決定的なその事実。しかしエルファバはそんなことより、目の前の問題に頭を悩ませていた。


「…私とした事がなんて失敗なのかしら…」
「エルファバ、あまり悲観的になるな」
これからどうするか以前に、フィエロの体がカカシであることが生活に支障ありまくりなのだ。


「こんな事なら多少重傷になっても生身の人間にしておくべきだったわ」
「縁起の悪い事言わないで欲しいな頼むから」

「だってこのままじゃ、貴方字も書けないわ!」

それはそうだけど、とフィエロが苦笑する。

「大体なんで取り消せない魔法なんて作るのよ!古くから伝わる魔法の本なら人を無敵にする魔法くらい書いときなさいグリムリー!」
「落ち着いて!;…そうだ、ボックやネッサローズはどうやって救ったんだい?」


「…わかった!ボックの様に魔法を二度掛けすればいいのよ」


エルファバはそこまで言って、目を輝かせた。

「それで、そのグリムリーは?」
「…え?」

ピタリ、と面白い様にエルファバの動きが停止する。
「グリンダに…あげて来ちゃった…」
「ぇええぇ?!」
「だって私にはもう必要無いと思って〜;;」



エルファバは再度自己嫌悪に陥った。そんなエルフィーを慌ててフィエロが励ます。


「じゃっじゃあ借りに行けばいいじゃないか!」
「駄目よ…姿を曝す訳にはいかないわ」
「だから姿を見せずに、さ」
フィエロが爽やかにウインクして言った。






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ