BASARA

□流星と流れ星
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流星と流れ星

[ その星は、尾をひいて流れていきました ]







月の綺麗な秋の夜、
蘭丸は星を数えていた。

少し冷たい風が頬を撫でた。
蘭丸はブルリと身を震わせた。

流石に秋の夜は寒かった。
もう冬が近いのか。

冬は雪が降る。
雪…雪といえば奥州だ。

たくさん雪が降る。
キラキラ、銀色に輝く。

陽の光に反射して、
世界は真っ白に。

真っ白な世界で蒼を探す。
探しやすくて、見つけにくい。

キラキラ輝く雪が、
蒼を隠してしまうんだ。

見つけられなくて、
どうしようもなくなった時、

目を瞑ると、
一瞬だけ、瞼の裏に蒼が映った。

ふと振り返れば、
そこには大好きな蒼が。

幸せ。
傍に居るだけで。

秋の夜空を見上げると、
キラッと星が流れた。

流れ星。
願いは、

あの流れる星に乗って、
あの蒼のある処へ。

星が流れたのは、
本当に一瞬で、

ちゃんと願いが届いたのか、
それとも届いていないのか、

全くわからなかったけど、きっと届いてると、信じてる。

願うだけじゃ
終わらない。

今からいくよ。
貴方の元へ。

キラキラと、
尾を引いて流れる星と一緒に。

流星に跨って、
貴方に逢いに行くよ。

キラキラ輝く星と一緒に、
キラキラ光る星を降らすよ。

大好きな貴方に、
この気持ちが届くように。






流星と流れ星
(今、いくよ)


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