BLロング小説
□思わずにはいられない
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思わずにはいられない
「なんで、先生は俺の前に出てくんだよ!そんで怪我して、迷惑かけんなら俺が怪我したって一緒だろうがっ!」
「一緒じゃない!お前は確かに九尾の力で回復が早いだけで怪我をさせたら同じだろ!」
「〜〜っ!カカシ先生なんか大っ嫌いだ!!」
木の葉の隠里入口で言い争う二人に誰も咎めるわけでも訳でもなく、片割れが叫び逃げるように走ると片割れは引き留めようとした腕を伸ばしたまま固まっている
そんな二人の様子を間近で見ていたサクラは呆然と立ち尽くすカカシの慰めるようにぽんっと背中を叩いた
「先生?大丈夫?」
サクラの一言にカカシはようやく我を取り戻したように行き場のなくなった腕をだらんと垂らして何かを小さく呟いた
「先生?」
カカシの呟きをサクラは聞き取れずなに?と耳を近づけた
「ナルトが俺を嫌いだって」
そんな台詞に30にもなる大の男がそんな落ち込むなよと言いかかったがため息をつくとカカシの顔を見つめた
「先生、私はナルトの気持ちわかりますよ?私は守られてばっかりだったから余計にナルトの気持ちが痛いほどわかる…」
「サクラ…」
カカシは教え子であるサクラの顔を驚いたように見つめ返すとサクラは優しく笑った
「私、ナルト好きになったの。先生ご存知ですよね?ナルト泣かせたら私がナルト頑張って攻め落としますよ?」
「!」
「だから、早く行って謝ってきてください!」
ばんっとカカシの勢いよく背中を叩くとサクラはニッと笑った
「ありがと」
背中を叩かれ痛いと思いながら元気をもらったカカシはお礼を言うとボスンと音をたて消えた
「全く、手のかかる二人なんだから」
さっぱりとした顔でそう呟くサクラは門番に挨拶しながら中へゆっくり入っていた