!!
□闇の真髄
2ページ/5ページ
「ん」
意識を戻せば知らない場所にいた
「ここは…いったい…っ」
起き上がろうとすれば微かな痛みが腕に伝わった
「った…まだ…ダメってどうして包帯が?」
見知らぬ部屋
いつの間にか看病されている自分
最後に自分の頭の片隅に残るのは――
「ありゃ、起きたのか?」
「!!!」
タキシード姿の男性
目線が合えばその男性は苦笑した
「そんな顔すんなって…何もしないからさ」
「あなたはなぜ?」
スーマンを殺したのは彼だ
しかも、僕なら考えられない殺し方
爆発…そういっておかしくはない
たしかに自分の目の前で仲間であったスーマンが爆発したのだ
「……あなたは僕の敵なはずですよね?…どうして…」
「…怪我してたでしょ?だからかな?」
「それだけ?」
「そうだよ?」
普通に問えば帰ってくる
昨日のアレはなんだ?
冷たい感覚
まるで自分が踏む道は死すらないのだという感覚