負けないよ
□また一緒だね!
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(はぁ…ダメだ…吐きそう…)
始業式当日。
あたし、大谷凛はと異常な緊張に襲われていた。
(瑞樹と夏美…一緒だといいなー…)
そう。
今日は始業式と同時にクラス替え。
あたしはもう胃が飛び出そうだった…
「ぅぅ…行ってきまぁす…」
「あら?凛朝ご飯は?」
「無理ぃ…」
「ふーん…行ってらっしゃい。あ、ピアス外した?」
「…忘れてた」
あたしは中二という分際でピアスを開けていた。
しかも春休み中に自分で髪を染めるという奇行にまで突っ走った。
「馬鹿娘。早く外してきなさい」
「言われなくても外しますー」
あたしは靴を履いたまま洗面所まで行った。
お母さんが怒ってたのは気にしない。
「ったく…行ってきまぁす」
(あーもー…マジめんどくせぇ…始業式とかウザ…)
段々と近付いてくる校門。
桜の花びらが制服と茶色い頭につく。