文
□疾走ダッシュ
1ページ/2ページ
屋上にケータイ忘れちまった!やべーやべー。昼休みクラスのヤツらと鬼ごっこして置きっぱにしたままだった〜〜。
と思って屋上への階段をダッシュしてたが、ピタっと止まり手すりにもたれて息を殺してる現在。
「前からさ、気になってたんだ‥‥
つか好きです。」
「‥‥ホンマに?」
眼球も指もつま先もみな動けない。いや動かない。
それらとは逆に活動を増す胸の中。
ドキドキドクドクドキドキドクドクドキ
うるせー苦し―てか誰だっけ、あの男子。まさかOKすんのかな。さっき男子の顔チラッとみたら結構カッコイかっ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
やべー、悲しい
ズダ!!!!! ガガガガ!!!!!
「!?」
「え、何!??‥‥‥ボッスン!!??」
逃げようとしたオレは階段を踏み外し、すぐ下の踊場に転げ落ちた。上から2人が覗き込んでいる。
去らなければ。みじめすぎる。とりあえず帰ろう!
「ボッスン!!待ってや!てか大丈夫なん!?」
すぐ後ろからヒメコの声がする。腰の痛みはガマンして、ダッシュ!!!!
「待 て や コラァ!」
さっきの踊場からはだいぶ離れた地点で捕まった。サイクロンに首んとこギュッと引っ掛けられて。
「ゲホっゲホゲホっ
おぇ!」