言の葉

□いざデレラ
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はぁっ。
水色のタキシードを着込んだ少年がため息を漏らした。

「どうした?姫等」

話しかけたのは王子の側近、腐裸我。
かけられたのは王子だった。

「あっ・・腐裸我さん・・・ちょっと、気分が悪くて・・」

「大丈夫かぁ?
・・って大丈夫じゃないわな、あんな花嫁候補ばかりじゃ・・」

チラリと見たのは広間で踊っている花君達の姿。
サングラスをかけた姫君、見事なまでのセンター分けの姫君、仮面にパインetc・・

「はは・・υそれもあるんですけど」

王子はまたため息を吐く。

「・・逢いたい人が来ていないみたいで・・」

「・・はは〜〜ん」

腐裸我はニヤリといやらしい笑みを浮かべる。

「本命か。」


ニヤニヤと王子の肩に触れて頬を突いてくる。

「ーーーっっ腐裸・・っ!!」


がしゃーーーん!ずどーーーん!!


大きな音と共にデュエルガンダムが突進してくる。

「なっ何事っ!?υυ」

王子は極めて普通の反応を示しガンダムに駆け寄った。

(NICOLEの奴〜。覚えてろよ〜(怒))

中から出てきたのは白い美肌に傷をつけたいざデレラの姿だった。

「明日欄とどっちが綺麗かなぁ・・」

王子は一目でいざデレラに見惚れた。
また、いざデレラも目の前に現れたきしゃで愛らしい幼さ残る姫等の姿に見惚れた。

(なっ何だ!?この気持ちは・・??)

ドキドキ・・

「・・あなたの名前、は?」

「狽っ いっ・・いざデレラ、だ///」

全く持ってネーミングセンスのない名前を必死になって言う。

「とても綺麗な方ですね。」

そういう貴方は可愛いです。
と言いたくなるような程の満面の笑みを王子はいざデレラに向ける。

「ーー当然だろう!
・・・この顔の傷がなければもっと美しいんだがな」

少し皮肉そうに言う。

「本当に綺麗ですよ(明日欄の次に)」

王子はいざデレラの手を取る。

「踊って頂けますか?」

「・・ああ。」

いざデレラは普段決して見せないような笑顔で王子の手を握り返した。

「な〜にぃあの女〜。」

「姫等王子に取り入って〜」

話しているのはサングラスの姫君と
見事なまでのセンター分けの姫君、それに挟むように緑の頭の・・

「ムカつくよな〜。コーディネーターのくせによ〜。」



「「ニコルーーーーーーーーーーーーーーー(怒)!!!!」」



「貴様ーーーっ寝返ったか!?話し方も違うぞ!!」

「エキストラとの一人二役ですから★
・・ってわけで、いざデレラなんて名前恥ずかしげもなくよく言うよな〜
俺なら即死〜〜。」

「〜〜き〜さ〜ま〜〜(怒)
そんな台詞台本にないぞーーー!?」

その時!12時の鐘が鳴った。

「くそぅっ!!」

いざデレラは大急ぎでデュエルの中に駆けていった。

「いざデレラーーーーーっ!!」

城の長い階段には白いブーツだけが残っていた。(←どうやって脱げたのか)
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