言の葉

□ドキドキ学園メモリー
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「……前?」

ゴツン☆

鈍い音がした。

柱にぶつかったのだ。

「〜〜〜〜〜っっιι」

「ほら!だから言ったのに!」

ニコルはふうっとため息を吐く。

「何か悩みが有るなら僕が相談に乗りますから
アスランはもっと身体のこと大事にして下さいよ!」

ニコルは軽く俺を窘めた後にっこりと笑った。
…何故かイザークは仲間外れでもされたかのように
ふてくして目を血走らせている。


‥―相談か…。


「――ニコル‥ぜひお前に相談したい事があるんだ!!」

アスランはニコルの手を強く握り締めて言った。









「手紙の差出人を探す?」

右手に箸を持ったままキラは素っ頓狂な声を出した。

「ああ!
いくら手紙でも差出人の名前も分からないのに
行って大変な事になったらどうするんだ!」

「それは‥大丈夫、だと思うよ〜‥?
っていうか誰?!」

アスランは今気づいたかのように後ろに振り替える。

「ああ!彼が後輩ニコル。
それとこっちが先輩のイザークだ。同じ生徒会メンバーなんだ。」

「よろしくお願いしますね〜」

ふんわりとした(上辺だけの)人懐っこい笑顔に
キラは照れて声を上擦りながら挨拶する。

「……………」ぶすーーっ。

その後ろにはアスランの先輩というイザークという男が
ふてくされながらキラと顔を合わせないでいた。

「イザーク!挨拶ぐらいしろ!
キラが泣きそうになってるじゃないか!!」

「ふんっ!」

「アスラン…僕の事は良いから…!!ι」

依然イザークはキラを見ようとはしない。
別にそれならそれで良いのだがアスランの立場が
悪くなるのを避けるためキラは話しかけてみることにした。

「えっと‥イザーク…先輩…?」

先輩という単語に悦したかイザークは振り向く。
そのときあたり一面の背景が一瞬だがお花畑になった気がした。

(なっ‥何事…?ι)

(恋敵?!)




ドドーーーーン!!!




突如雷が落ちた。

「くそっ!なんて事だ!
イザークがキラに惚れるなんて…!!
(Σこれだけ可愛ければ惚れない方がおかしいか!)」

「おいアスラン!誰がそんな事を言った?!///ιι」

ニコルが2人の間を割って止めに入る。

「…はいはいわかりましたから。
いい加減本題に入りましょう!」

キラはニコルがイザークだけをきっっと睨みつけたように見えた。

「……?ι」

「…そうだな。
じゃあキラ!何か心当たりはないか?」

アスランは至って真面目だ。

(生徒会じゃいつもこんな感じなのかな。
…知らなかった。)

アスランが後輩に宥められるような人だとは。
僕の中のアスランはいつも宥める方だったもの。

キラは胸がちりちりと痛む。

「…心当たりなんてないよ。」

「そんなはずはないだろう?
仲の良い子とかいないのか?」

う〜ん‥っとキラは考え込む。

「仲の良い子ならミリアリアとかフレイとか
ラクスとかカガリとか、先生ならマリュー先生とか
ナタル先生とか…かなぁ?」

キラは思いつく親しい娘の名前を言う。

「そっ‥そんなに親しい子がいるのか…」

何故だかアスランの顔色が悪いようだ。

「…大丈夫?アスラン。顔色が悪いよ。」

「―‥いや、何でもない。ちょっと目眩がしただけだ。」

「…可相そうなアスラン。」

ぼそりとニコルが言った。

「えっ?」

「いえ、何でもありません(にっこり)
でもそんなに心当たりがいるなんて困りましたね。」

「心当たりなのかあれは!」

イザークがナイスタイミングで突っ込むがニコルは無視した。

「…………っっ(怒)」
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