言の葉

□Private teach−Naoya Version−
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「なおり〜んv おかえり〜♪」

部屋の扉を開けると上杉がすぐに抱きついてきた。

「‥帰ってたの‥?」

「もちろん!
俺サマ1週間もなおりんに逢えなくて寂しかったよ〜!
これ以上逢えなきゃ死んじゃうから仕事途中で抜けてきちゃったv」

「‥‥‥バカ。」

この男は、俺の恋人で
今人気急上昇中の(寒い)お笑いタレントブラウンだ。

全国的に人気があって暇なんて無い癖に何かにつけて
俺の家に上がり込む。

「なおりん〜
今日も甘くて美味しそうな匂いがする〜。食べさせてvvV」

俺を膝に乗せてベッドに座り込む上杉は
俺の身体の匂いを嗅ぐ。

「っ‥待って上杉‥お風呂、入らせて‥」

「んー?・・やだ。

「や‥やだってお前ι」

一週間オアズケ状態だったからか
上杉は本当に我慢の限界だったらしい。

「俺サマがなおりんを食べ終わったら一緒に入ろvvV
それなら良いっしょ?♪」

言うが早いか遅いか上杉はすでに俺の服をめくり上げて
首筋にキスを落とした。

「こら!跡‥付けるなってばっ」

「‥なおりん。クールなのも可愛いけど
もっと乱れて。俺サマヤラシイなおりんが好きv」

耳元で真面目に低い声で囁かれると身体がびくりと大きく揺れる。

「‥‥っ‥っ‥!」

「可愛い。なおりん、好き」

「んっ‥上杉ぃ‥」

「いつもみたいに名前で呼んで」

俺のモノをゆるゆると撫でながら囁く

「‥ひゃあ‥っ‥秀‥彦」

上杉の甘い囁きにそのままベッドに倒れ込んだ。









「‥籐堂、アンタはもう未成年じゃないし、
もう私の教え子じゃないけど、
世間体ぐらいわきまえるのが常識だろう?」

「‥はぁ。」

「まったく‥道ばたで堂々と男同士キスして、
‥どーせ上杉が無理矢理してたんだろうけど」

「‥ウィース。」

「思わず学校まで連行しちゃったじゃないか」

「いやぁまさか俺もまた高校に
足を踏み入れるとは思わなかったっス」

「それは籐堂が卒業して一度も遊びに来ないからだろう」

道端で上杉を送っている処で冴子先生に捕まった。

「はぁ。
まさかセブンスに立ち入るとは思ってなかったですけど‥」

「‥相変わらず愛想ないねぇ。」

「はい。」

説教を俺は適当に濁す。

「‥そういう処は上杉に似て良いんだけどねぇ。
もう帰って良いよ」

「‥おいっス。」

軽く一礼をしてその場をそそくさと離れた。

「(そういえばたっちゃんはセブンスだっけ?‥何組かな。)」


「情人ーーーー!!」」


声のする方へ近寄るとそこには
金髪の女の子とたっちゃんが居た。

‥結構、たっちゃんはまんざらでもないみたいで。
彼女の問いかけにきちんと答えている。

(偉いなぁ‥。)

昔、似たような子が居た。

理想の園村にすごく好感を持ってたから 正直、彼女は重荷だった。
あの時は、取り巻くもの全てが。

(まぁ‥園村が大量発生したり
街に悪魔が出現し始めれば
誰だってうざったくなると思うんだけど)

もう一人の俺はなんて言っていただろう。

「「激気!何それ女!?
許せない!!達哉は私のものなんだから!!」」

「‥違う、男。家庭教師」

突如聞こえた台詞は自分の事だと気づいて
慌てて視線をたっちゃんへと意識させた。

「‥じゃあさ、じゃあさ、今日‥一緒に帰ろう‥?」

「‥ああ。」

たった一言なのに、とても嬉しそうだった。


(青春だねぇ‥)(ホロリ)


なんというか‥たっちゃんって、‥ものすごく可愛い。

世間知らずだし意地っぱりだし不器用だし‥
なんだか克哉さんの溺愛が痛いほどにわかる。

「‥俺もたっちゃんと一緒に帰りたいなv」

!!

今までのイチャイチャやりとりを見ていたことを
知って微妙にたっちゃんの顔が赤くなる。

「‥‥‥」

だけど気が付いていつもの表情に戻す。


((ぶっ‥!!かっ‥可愛い‥!!))

「‥勝手にしろ」

「ありがとうたっちゃん‥。」

上杉と南条君がよく言う
“傷ついた小鳥のような目”で礼した後三人で帰宅することになった。
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