言の葉

□バナーの道
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大きく声をあげた僕をグレミオが宥めるように話す

「いけませんよ〜、今からバナーの道を歩くんでしょう?
そんな事じゃあすぐ疲れちゃいますよ〜」

「‥ルックって体力なさそう‥」

「ないですよ〜。魔力と顔しか取り柄無いですもん!
だからいつもあの道イヤイヤなんだよね〜!」

ティオは堂々と僕の悪口を言っている。

「当たり前だろ。
あんな道を毎回歩くマクドールの気がしれないよ。」




でも


「そうかな?」

「そうだよ!」

「‥じゃあさ、今日は食事してから行こうか?
シチュー‥、食べてみる価値はあると思うよ‥?」

「坊ちゃんはグレミオのシチューを食べに帰ってますからね!」

どん!と胸を叩く。

「―ルックは前、食べたことあったよね。」

「‥うん。」

「わーーいv食べましょー×2♪」

ここぞとばかりにティオはマクドールの手を引いて移動する。

「‥ルック」


手を マクドールが差し出す



「‥まずかったら、怒るよ」

「美味しいよ」


差し出された手に 触れる。


多分気づかず無意識に右手を託した。


わざわざ面倒な道を通って行くのはやっぱり納得は行かないけど 
マクドールが右手を差し出して笑ってる処を見れるなら




あの長く険しい道を歩く価値はあるのだと 思った。












おまけ

ルルノイエ王室にて

「なぁ〜クルガン!
あいつら遅くねぇ〜?腹減ってきたんだけど〜!?」

「‥少し辛抱するんだ シード。
ジョウイ様との戦い、過酷なだけに万全をきしているのだろう‥。」

「ちぇー。」

「ティオ、遅いな‥」

のんびりとシチューを食べている事も知らずに
かつての幼なじみ、ティオを心配するジョウイの姿があったことは
シードとクルガン以外誰も知るよしはなかった。




end.
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