言の葉

□ルックさんの一日
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「・・・・」

プク、っと頬を膨らませた坊ちゃんはノソノソとベッドに潜り込みます。

「・・せまぃ・・」

「なら出て行きなよ。僕だって狭いんだから」

「頭痛い・・」

ルックさんはベッドだけでなくちゃっかりと枕も人質・・物質に取ってしまっています。

「・・良いよ・・グレミオのベッド行くから・・」

自分のベッドを諦めようとした腰をルックさんに捕らえてしまいました。

「ルック?」

「・・・」

何故だかルックさんは不機嫌オーラを漂わせていらっしゃいます。

「ねぇ、抱き枕になって」

「・・・・は?」


何ふざけた事言ってんだよこのヤローと言う目でルックさんを見た坊ちゃんはあから様に嫌そうです。

「何で僕がそんな事しなくちゃいけないの?」

「同盟軍に・・力貸してくれるんじゃなかったの」

「抱き枕のどこが力なのさ」

「・・別に許可はいらないよ」

そういうとルックさんは腰に腕を回して寝そべってしまいました。

「・・ルック・・服、皺になる・・」

それを聞いたルックさんはニヤニヤと嫌な笑みを浮かべています。

「・・脱いで欲しいの?それとも脱がして欲しいわけ?」

「・・っ・・」

ルックさんは子供の遊びのように悪戯に笑って坊ちゃんの腰の紐をするりと解いてしまいました。

「あ・・っ」

乱れた衣服の下に無防備に晒されている白い肌に唇を落としていきます。
手を服に潜り込ませる度に白い肌は赤く染まっていき、それをルックさんは楽しそうに見つめてしまいます。

「も・・ャメ・・っ」

降伏した坊ちゃんを確認した後ルックさんは
気持ち良さそうに坊ちゃんの漆黒の髪に顔を擦り寄せます。
坊ちゃんは(ルックって猫みたい・・)などと思っていましたが
そんな事は口が避けても言えません。

「・・ルックさ、そんなに今の城のベッド嫌なの?」

「硬いし」

「だからって何度も僕の所に潜り込まないでよ」

「マクドールのベッドってレックナート様の所のベッドより柔らかいんだよね」

「・・もう」

いつも意地悪なルックさんにそんなふうに幸せそうに微笑まれると坊ちゃんは何も言えなくなってしまうのです。
愛の力は偉大です。




ある一日の事でした。



グレミオさんかティオの来るまでの間の僅かな時間です。










それでもルックさんは満足げに坊ちゃんを抱き枕にして眠りに就くのでした。




*おしまい*








後記
この小説の書き方は幻想水滸伝短編集<ミレイヒ様の優雅でない一日>を参考に作成しました☆
大分楽しく書いてしまいました♪
しかも初のルク坊甘々!!
次はもっと甘いの書きたいです!(坊ちゃん入るとシリアスになる傾向が・・.汗)
こんなののシザヒュネタもあるのですがオチがないので(オチいらん)友達に相談した所「一日シリーズで書いたら良いじゃん」などとシリーズ化されてしまいました(笑)
シザヒュ書きたい・・。。
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