言の葉
□ルックさんの一日
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同盟軍に手を貸しているルックさんの一日は夜明けと共に始まります。
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「・・・・」
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硬いベッドに大変不機嫌そうに起きあがりながら衣服を整えます。
同盟軍率いるリーダー、ティオと朝早くから顔を会わせたくないのか
さっさとテレポートして城を出て行ってしまいました。
「・・ん・・っ」
テレポートした先は解放軍を率いていた元リーダー、
坊ちゃんの愛称で知られるリン・マクドール氏です。
すやすやと眠っている坊ちゃんのベッドに、
ルックさんは当然のように我が物顔で潜り込んでしまいます。
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「・・ん〜・・」
思ったとおり、坊ちゃんのベッドはフカフカで体温で暖かくなっています。
(・・・・)
フカフカのベッドに気を良くしたルックさんはうとうとと眠りに吸い込まれていきました。
余程硬いベッドが嫌だったのでしょう。
「・ふっ・・ん〜」
ルックさんが気分良く眠りに就こうとしたその時です。
ガンッッ!
と大きな音が部屋に響きました。
「・・っ・・」
ルックさんの頭には手袋をしたままの坊ちゃんの腕が
ベッドに入って着たルックさんを殴り飛ばしております。
「ちょっと・・」
「むー・・」
ヒリヒリと痛む頭を大層辛そうに押さえて坊ちゃんの
眉間に指を押し込みますが坊ちゃんはルックさんを
布団から張り飛ばして中に入れてくれません。
隣に誰も居ないと解ったのか、坊ちゃんすやすやと
寝息を立てて気持ち良さそうに眠っています。
坊ちゃんの抵抗に腹を立てたルックさんは手元にあった
「〔幻想水滸伝V完全攻略ブック〕(コ●ミ出版)」と書かれた
これまた大層分厚い本を坊ちゃんの頭に
怯むこと無く思い切り投げつけてしまいました。
「〜〜〜っ!!??」
バコッ!!と鈍い音を頭に受け止めた坊ちゃんはベッドからずり落ちてしまいます。
それを見計らってルックさんは堂々とベッドを手に入れてしまいました。
「ルックっ!?なんでここに・・??」
「うるさいよ」
まだ事態を把握していない坊ちゃんを前に
ルックさんはたった一言で会話を終了してしまいます。
なんて自分勝手な魔法使いでしょうか。
「・・そこ・・僕のベッドなんだけど・・」
「まぁまぁの寝心地だよ」
「眠いんだけど」
「僕も眠いから話しかけないでくれる?」
「どうやって入って来たの?グレミオは?」
「テレポートしてきた・・」
殆ど寝かかってしまっているのか返事が乏しくなって参りました。
珍しく坊ちゃんも少しお怒りのようです。
朝早くからベッドから殴り出されたのだから仕方ありません。
「ルック!!」
「・・うるさいなぁ・・そんなに言うなら入れてあげても良いよ」
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おいで・・とまるで自分の物のように言って退けます。
フカフカを満喫して上機嫌の模様です。