言の葉

□右手をつないで
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「“リン”、僕に謝って!朝無視されてショックだったんだから」

「・・ごめん、ごめんなさいっ・・」

「今も僕とテッドさんって人間違えてますよ。謝って下さい!」

「ごめ・・・っ」

「・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・・?ティオ・・?」

目の前に居るのは栗色の髪の“ティオ”、だ。

「はい。間違えたこと謝って下さい。」

いつもみたいな穏やかな雰囲気と違ってティオは怒っているようだった。

「ぁ・・ごめん・・」

普段怒りにくい人が怒ると怖いもので思わず目を見開いてしまう。

「そんな顔して泣いてたらちゅーしちゃいますよ」

「へ・・?」

手の甲を頬に当てると水滴が滴り落ちてくる。

「寝ながら・・泣いてたのか・・」

ぽや、と呟くと「あ〜」とティオが呻く。

「・・・・? ティ・・」

名前を呼ぼうとしたら唇を塞がれた。

「・・・・っ」

軽く啄むようなキスでは抵抗する気にもならない

「抵抗しないんですか?・・襲っちゃいますよ?」

「・・・僕、君のこと嫌いって言ったよね?」

「僕は大好きですよ」

嫌悪を表してもティオはいつも笑って同じことしか言わない。


(いや・・今は特別僕が嫌な顔してないのかも・・)


いくらティオでも嫌がる相手を無理矢理はないだろう。
ベッドに押し倒されているというのになんとも危機感のないことだが。



逆ならまだしも嫌いになんてなるはずがない。


だって君は僕の大事な親友に似ているんだから・・








嫌な顔が出来ないのは 嫌じゃないから




嫌なのは近づき過ぎて大事な者がまたなくなること

















「「マクドールさ〜〜〜んっ!!!vvV」」

通路の方でティオの明るい声が響く。

「何?またティオがマクドールの後付け回してるの?」

「そーみたいだな」

「飽きないね・・同じ事繰り返して・・」

玄関口ではルックとフリックがその様子を煩わしそうに(ルックが)眺めている。

「おっはようございまーーーーすっ!!!!」

「・・おはよう・・」

大声で叫ぶティオに目を向けてリンは少しだけ顔を緩ませた。

「一緒に食べて良いですか?v」

「うん・・」

その様子は端から見たら和やかな風景でしかない。

「・・・・どうなってるのアレ・・」

「さぁ・・」

拍子抜けしたようにルックとフリックは二人を見送った。



「手、繋いでいきましょうね♪」

「・・良いけど・・」




リンは ティオに強く握りしめられた右手を嬉しそうに見つめて笑った。










end.





後書き
Tですごい辛い思いしてたのに
また手を貸してくれる坊ちゃんをわしはすごいと思う。
まさにカリスマ。
でも本人は頼まれたから手を貸すだけで言われなきゃ
手を貸さないと思う。(笑)
坊ちゃんってそんな子。
まぁテッド似のU主を嫌えれるわけないよね☆
うちの坊ちゃんはチューぐらいじゃ慌てません!
テッドに「一生のお願い」で何度もされてそう(爆)
なんてステキ一生のお願い(輝)
ちなみにこの話ではグレミオはいません〜!
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