言の葉

□右手をつないで
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「僕以外とは仲が良いし・・コンチクショー!って感じ・・」

「ははっ 頑張ってアタックしろよ。得意だろ?」

「はあ・・でもあそこまで楽しいくらい無視されると
無理矢理部屋に連れ込んでベッドに組み敷いて
言うこと聞くまでなぶりたくなりますよね〜」

「・・冗談にしとけ、よ・・?ι」

「は〜い!」

元気良く返事をしたティオをフリックはリンにしたように頭をくしゃくしゃと撫でた。

「リンなら俺の部屋にいるよ。
寝てないみたいだったからな。後で行って来いよ」

「うん」

ティオは何かを決心したようにばくばくと口に詰め込んでいる。




「・・・あんた、何か二人をくっつけようとしてない?」

「ん?いや・・似た者同士仲良い方が良いだろ?」

「似た者・・?」


笑いながら言ったフリックの言葉は リンにもティオにも聞こえていなかった










辺りの視界は一面の暗闇






ああ・・またこの夢か・・







『――リン。逢いたかったよ』









栗色の髪と 青い服に身を包んだ少年は笑って右手を差し出してくる

『・・テッド・・』


僕が殺した 僕の親友




『酷いよなぁ。俺の魂を奪った紋章で、お前は生きてるんだもんな?』

『・・っ・・』

『それ、返してくれよ?』

右手を差し出したテッドの身体はボロボロと見えない黒い海へと飲み込まれていく。

『なあ?返せよ?俺お前のこと嫌いになりたくないんだよ』

『・・嫌いになんて・・なっちゃ嫌だ・・っ』

『じゃあ返せよ?それがないと俺は生きれないんだよ』

返そうと思うのに 黒い靄で隠れた足は思うように動かない

焦れたテッドは一歩、また一歩と足を進めて近づいてくる。



瞬間 右手を強い力で引き寄せられた












『一生のお願いだよ』










そこで夢は途切れる



いつも――









「・・ん・・・?」

「起きました?マクドールさんっv」

「・・・・・っ!?」

目を開けた瞬間目の前にドアップである栗色の髪に息を詰めた。

「テ・・ッド・・」

「?テッドさんって誰ですか??」

「ッド・・テッド・・っ!!」

僕はテッドらしき少年に思い切りしがみ着く

「わぁっ!?マクドールさんっ??///」

「そんな他人行儀に呼ばないで・・“リン”って呼んで・・っ」

「えっ?あの・・」

「テッド、ごめん。ごめんね。ごめんなさい・・僕のこと嫌いにならないで・・」

「・・・・」

“テッド”は、僕が言うと掴んでいた僕の手を引き離して
身体ごとソワァからベッドに投げつけた。

「――っ」
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