言の葉

□御主人様よ、命令を
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「初めてスノウが勃った時。真っ先に僕に相談しに来たよね」
「………っ」
「本で見たから、僕にその通りやって見せてって」
「あ、あれは」

違う。

そう言いたかったけど自分でも何が違うのか分からない。

「出来ないって困ってたら無理やり押しつけてきて」
「………」
「イく時僕の名前を呼んでた」
「………そんなの、覚えてない」
「僕ははっきり覚えてるよ」
心の傷を抉られたようだった。
あの時は何で言うとおりにしないのかと怒って後でさらに酷い仕打ちをしたと思う。
自分が気付くまでずっと僕はヨンに最低な扱いを課して居たのだと思った。

「汚らわしかったよ、正直」

低く、呟く声はヨンのモノではないようで、僕を憎んでいるのだと 思った。

「え…ぁ……?」
熱い何かがスノウの性器に触れた。それは身体中どこよりも熱い。
自分のモノより少し小さめの、ピンク色の一物をマジマジと見ていたらベッドに仰向けにされるように押し倒されてそれを見れないようにされる。
自分達は未だ成長期で、それにも差があるのだと睨むヨンを見て悟った。
小さいなりに熱いそれはスノウの性器に押し当てられ ゆるりと腰が動いた。
「ぅ…ぁあ、…っ」
既に昂ぶっているモノは擦り付けられるとすぐにでも破裂しそうだ。
イく、そう思う瞬間にヨンは動きを止めてなかなか射精させてくれないものだから思わず目を閉じた。
「そんなに嫌なの?」
単純に、訪ねるようにヨンが言う。
言葉は出てこないから必死に首を縦に振って肯定した。
「自分で、するから…出て行って……っ」
振り絞って。
何とかヨンを睨み付ける。
ヨンはそんなスノウを見下ろしスノウの手を 下肢に当てた。
「どうぞ。じゃあやって見れば、一度も汚したことないその手で」
言葉に棘があるのは一目瞭然だ。
言葉はグサリとスノウの胸を突き刺して呼吸を苦痛にさせた。
「ぅ……」
昂ぶりに手を押し当てられても動かす気にはなれない。
(こんなに嫌われてたなんて……)
スノウがヨンを嫌ったようにヨンもスノウを嫌っていたのかもしれない。
だからこうして昔を掘り返して関係を変えようとしないのだろう。
「何を、どうして欲しいか言って。それともそこまで僕が教えてあげないとわからないの?」
再びゆっくりと腰を揺する。
けれど射精の為の動きではなく、達せないようスノウのモノの根元を掴み射精できない苦痛を味合わせる為の動きだ。
グチャグチャといやらしい音は響き意識を溶かすように唇が重なる。
くちゅ…と舌は長年自分の下の世話をさせていただけ合って巧妙で、目眩がしそうな口付けだった。

  
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