言の葉

□勉強
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「羽柴。後で数学教諭室に来い」

シンと静まり返った教室で俺、羽柴 空は数学教師、水都 真一郎に名指しで指名された。

(バーカ。誰が行くかよ!)

だって水都だぜ?
毎回行く度に身体撫で回されてんのに行くわけないじゃん?
俺だって学習してるんだ。
自分から貞操の危機に行ったりしねーって!
水都が行ったのを見計らうとシンと静まり返っていた教室はすぐに明るい雰囲気になった。
皆水都におびえてんだよな。

「羽柴〜お前何やらかしたんだよ〜!」

「お前 水都のお気に入りなんだから気を付けてけよ?」

水都の姿が見えなくなったと同時にクラスの奴が慰めにかかる

「だーー!!誰がお気に入りだ誰が!!!行くわけねーだろ!?」

「何だ?いかねぇの?」

「行・か・な・いっ!!」

返答を聞くや否やあからさまに詰まらなさそうにため息吐かれた。
んだよ、俺に襲われろってのか!?冗談じゃない。

《良いのか〜?行かなきゃ後が怖いぜ〜?》

(捕まる前に逃げるって)

《ふーん‥。》

頭の中で夜が呆れたような顔してるけど今日行っても同じだもんな?
どっちにしても同じならせめて先に延ばしたいじゃん?
もしかしたら祭とか七海ちゃんが何とかしてくれるかもしれねぇしさ。
そんな他力本願な楽観的な事を考えてドアを開けると‥

「待っていたぞ、羽柴」


「「水都!?ι」」


水都が堂々と立っていた。

「逃げられては困るからな」

「逃げるに決まってんだろ!!」

「フ‥やはりか。まったく‥」

あからさまにため息を吐いて水都は俺の腰に腕を回してきて‥?

「‥何だよ。」

「捕まえてないと逃げるからな。手を繋いで行きたいか?」

「だからって何で腰なんだよ!!」

だって腰だぜ!?腰っつても腕を回してるから少し腕を延ばせば水都の手が俺の、
とかケツに触れる距離にあるんだぜ!?身体もすげー密着してて‥

「行くぞ」

「「うわぁぁぁっ!?」」

そのまま俺は数学教諭室に連行された。



*******






「この間のテスト結果を覚えているか?」
考えていた事とまったく別の事を言われて俺は拍子抜けた。
テスト?テストってあれだよな。
この間水都が抜き打ちで出してきたやつ‥。
それがなんだってんだよ?

「羽柴はかなり悪かったな。」

「う‥」

確かに。
でもさー誰も抜き打ちとは思わねえじゃん?
俺だってテスト勉強してればあそこまでは悪くなかっただろうし‥ってか俺より下の奴居たしさ?

「教え子があそこまで馬鹿なのは不愉快だ。私が教えてやる。」

「いや、いいし‥」
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