言の葉

□SEED学園〜放送室で〜
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「……んんっ‥ふぁっ」

くちゅくちゅと密封された室内に水音が鳴り響く、

「アッ‥アスランッ…」

キラはどちらのものとも分からない唾液を
唇から垂らせその行為の相手の名を呼ぶ。

「どうかした?」

キラの目の前には爽やかな笑顔で微笑むアスランの姿がある。

「あっあのさ!
こっ‥こんな処でするのイヤなんだけど〜‥」

キラの声は言うにつれて小さくなっていく。

「どうして?」

……『どうして?』といわれてもイヤなものはイヤなのだ。
キラは唇を少し小さく尖らせて呟いた。

「?」

ここはSEED学園放送室、キラとアスランの通うこの学校は
普通とは少し変わっていて、A.A側とザフト側で対立しあっている。
キラは手違いでA.A側に飛ばされ
幼なじみのアスランと離ればなれになってしまっていた。
それがつい先日呼び出しの手紙
(それはフラガ先生の掃除呼び出しだったのだが‥)
をキラが受け取ったことによりキラは
散々な目に合い自分の事を考える事を要求され、
男同士で、それでいて兄弟のように仲の良いアスランへの自分の気持ちに気付き、
晴れてめでたくアスランと恋人同士という関係にまで発展したのだった。
それで事件は一見落着かに思えた………。

「いいよね?ここなら放送室で防音だから。」

にっこり。


と、微笑みかける恋人の急所を
キラは蹴り飛ばしたい衝動に駆られる。

「Σうっ!そっそれはそうなんだけどぉ〜‥」

手紙事件の間にキラはアスランとキスをした。


犯人が判った後アスランはキラの耳元で
『続きは家に帰ってからしようね。』と、囁かれたのだ。
が、お互いその行為をする場所が自分の家しかないだけあって
アスランも控えてはいたものの
先日アスランとキス以上の行為に走りそうになったキラが
『声聞こえるからヤダ』と断ったのだ。
それでだろう。
アスランは人気の無く、防音の部屋にキラを呼び出し
前の続きをする事にしたのだ。

「――キラ、良いかい?
あの手紙からもう3週間と半日、
2時間36分57秒(ここまで数えられてたら相手は引くよね)
も僕は待たされているんだ!」

アスランは拳を掲げて力説する。

…だからといって初めての僕に
学校でHしようと言うなんていかがなものだろう。
本当に細かなことには
気付くくせにこういうことには鈍いんだこの男は……。

「―だって‥僕はアスランと違って“受け”なんでしょう?
“受け”は痛いものなんだ、ってフラガ先生が、
それに初めてで学校はイヤだよ。」

キラは赤みの増した潤んだ目でアスランを見つめ“オネガイ”する。

本人はこの行為がより
相手を元気にさせることを自覚していないのだろう。

「…キラ、僕はもう待ったよ?何年も(←笑)」

「うひゃあっ」

アスランの掌がキラのシャツをまくり上げ掌で愛撫する。

「アッアスラン…!くすぐったいよ…!!」

「そう?
くすぐったいって処は気持ちい処って聞くよ。
どっちにしても感じるからかな?」

アスランはくすくすと笑いキラの首筋にキスを落としていく。
…そんなこと誰に聞いたんだよ(怒)と、
キラは少し(いやかなり)焼き持ちを焼いたが
身体を撫で回されて反撃できないでいた。


(…どうしよう。気持ちいいかも…。)
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