言の葉

□御主人様よ、命令を
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「スノウ、何してるの」
ビクりと身体は強ばりスノウはゆっくりと視線をヨンに向けた。
「何でもなぃっ」
そうは言うけれど声は裏がえってしまって嘘をついているのは明白だった。
(頼にもよってヨンに見つかるなんて…)
しまった、とスノウは心の中で苦虫を押し潰す。
仲間になって数日、毎日のようにヨンとスノウは仲間達とオベル遺跡で鍛えている。今日もその帰りで船に戻り後は何時ものように食事を済ませて寝るだけだった。
しかし、スノウの身体に生理的以上が現れたのだ。
それを感知したスノウは慌てて自室に飛び込み誰も部屋に踏み込まないようにと鍵に手をかけたその時だ。
ギィ…と軋んだ扉が開いたかと思えばヨンが目の前に立っていた。
そして現在に至る。

「そんなに怯えなくても」
言いつつヨンはスノウの身体をベッドへと座らせた。堅い布団に体重が沈んだ。
程なくしてカチャカチャと金属の擦れ合う音が響いて。
「って、ヨン!?何してるんだっ!!」
慌てて身体を引き剥がそうとしたがもう遅かった。
ズボンを僅かに下ろされればピンと張り詰めた雄蘂がヨンの前に晒されている。
「…っ…!」
スノウは顔が熱くなるのを感じた。
そんなことなどお構いなしにヨンはスノウの先端を指の腹で撫でて。
「いっぱい我慢してたね」
嘲笑うように笑った。
「すぐに僕に言えば良かったのに」
「…言えるわけないよ」
「言えるよ。昔は無理やり僕に処理させてたくせに」
恨めしげに言うヨンは別にさほどその行為に嫌悪感を持っているわけではなさそうだった。
「子供だったからだよ」
それが悔しかったのか何とか言い返したが適切な嫌味を思いつくような頭ではないことはスノウ自身がよく知っている。
「子供ね…。始めはそうかもしれないけど結構最近まで続いてたじゃない」
「子供だった、から……僕も大人になったんだ。これでも」
噛みしめるように言ったがヨンは「そう」と言ったきりそれ以上は探らない。
(そういう…興味がなさそうな態度が嫌いなんだ…)
恨めしげに見つめたら心を透かしたようにスノウの昂ぶりを強く握られた。
主導権はヨンにある。
「どうしたい?スノウのしたいように処理してあげるよ。言って。……ここをどうしたい?」
ヨンの細い指先が昂ぶりをピンと弾く。
先端からは熱い蜜が飛び散った。
「指でいじられたい?それとも」
「あぅっ…!?」
くちゅ…と唾液がスノウの昂ぶりに垂れ落ち先端がヨンの口の中に納められる。
いらやしい水音は口の中でなぶり回した音だった。
「口で吸われて、舐め回されたい?」
「ひぁ…っ…!」
すぐに離れた舌は熱くて溶けてしまいたいと言う感覚に落ちた。
紅い舌が自分のモノを這えば身体は震え目は快感に潤む。
けれどヨンの言い方が憎らしくて絶対に折れるものかと誓った。
我慢すればするほど下肢の熱は硬度を増しぶるりと思わず身体は震える。
「ん……」
それに触発されたようにヨンは懸命に目の前のモノを味わう。
先端から、根元まで。丁寧に繰り返される舌使いは慣れたものでスノウは罪悪感を感じずには居られなかった。
「ヨン…やめ、…っぁ」
退けようと頭を掴んだ手も押しているのか引いているのかわからない。
止めなければと思うのだけが真実だった。
(こんなことしちゃいけない……)
ヨンの為にも 自分の為にも、
もうヨンは僕の小間使いじゃないんだから。
それを分かっていてヨンはやっているのだろうか。
僕達は昔のままじゃいけないのに。
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