言の葉

□「笑わせて」
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「綱吉 僕を笑わせてみて」




そう云う目の前の人物にツナはふざけるなというような視線を送った。

「あの・・・・」

それからちらりと視線を戻したのは自分の身体にだ。
フリフリヒラヒラした純白のレースの衣装はそれこそ笹川京子のような可愛い女の子にこそ似合う。
問題はツナは男なのだ。
頭にウサギ耳の着いたカチューシャを付けても楽しくもなんとも無い。
それで満足すればいいものを目の前の男はさらに笑わせろと要求する。

「・・・・・・メチャクチャだ・・」

はあ、と吐いたため息にヒバリは眉間に皺を寄せる。

(冗談じゃないよ!なんでリボーンが居ないからって俺が!)

ただツナはその状況から逃げ出したかった。
元々リボーンが誘いを受けたんだ。
それを乗り気じゃないと言いだしツナに押しつけた。
仲裁に入っていたツナはそのまま放置していては何時因縁付けられるかわかったものではないので
大人しくそのことを伝えに来たのだがそれをヒバリは見た瞬間理解したのか
応接室に入るならそれなりの格好をしろと指示したのだ。

元々、可愛い物大好きのヒバリ様だ。

リボーン(全然可愛くないけど)がいないのなら俺を見ても楽しくないと判断したのだろう。
そう、ツナは思った。

それにしてもその言い方は失礼極まりないが。


「おいで」



ぽん、と一叩きしたのはヒバリの膝の上。


乗れと言うことだろうか。
赤ん坊とは体重も体格差も違うんだと思いながらも怖くて逆らえはしないので大人しく従った。


「今日は初めて逢ったときの威勢はないね。どうしたの?」

「・・・・・」

死ぬ気弾を打っていないのだ。
フウ太に言わせればイジメっ子とイジメられっ子ランキングぶっち切りNo.1の
至上最悪あるいみ最高コンビであるツナがヒバリに立ち向かえるはずもない。

「あっ・・・!」

ピクリとお尻の辺りに違和感を感じて身体が震える。
何かと思って見ればヒバリがツナの尻に張り付けられたカチューシャと揃いのウサギの尻尾を握っていた。

「ぁ、あ、」

尻尾と言ってもウサギの物では小さな為ツナにも触られている感触はあるらしい。
思わず肩に回した掌に力を込めていた。

「気持ち良いよ、これ」

「ん、っぁ」

「肌触りが最高なんだ。やっぱり市販で買うよりも作らせた方が良い物が出来る」

尻尾に添えられた手とは別にもう片方の手がスカートの中に潜り込んで太股を撫で回している気がするのは気のせいだろうか。
恐ろしくて確かめることも出来ない。

「ひゃ、ぁ、ヒバ、・・さ」

   
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