言の葉

□なにが愛なの
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「好きだよ」

愛の言葉を囁く。

「愛してる」

何度も、何度も耳元で囁けば沢田は顔を赤らめた後 ふわり、と笑った。

「可愛い、沢田」

強く、だけれど優しく壊れ物を扱うように沢田の身体を抱きしめれば甘い匂いが鼻腔を擽った。

「雲雀さん、恥ずかしい…」

身を竦める沢田も確かに僕の首に回した手に力が籠もっていた。

「好きなんだもの、」

殴ったり喋らなかったり酷い扱いをすれば沢田は死にそうな程大袈裟に震えて脅えるのに胸に抱き止めて優しく愛の言葉を囁けばあっさり警戒心を解いた。

「好きだよ」

それどころか。

「……俺も、雲雀さんが好き…です…」

リピートするように。何度も繰り返してくれて。
照れながら俯く姿が可愛くて触れるだけのキスを落とした。


正直、愛の意味を僕は知らない。

どう思えばいいなんて分からないし群れて駄目になるだけの愛なんて糞喰らえだ。

「沢田。愛してるよ」

けれどその台詞を囁くだけでこの子を繋いで置けるなら悪くない。


これが愛でなくてなんというの


end.

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