It's my life
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2時間後、映画館から出て、
「映画、よかったな」
楽しそうに言ったのは貴方のほうだった。
「でしょ? 特にさ、雨…」
「雨の中で、彼氏が彼女のこと追っかけたのがよかったよな」
「…う、うん」
心底ビックリした。
同じことを言おうとしていたから。
「どした?」
「…何でもないよっ」
「何だよ、言えよ」
「教えなーい」
笑いが込み上げてきて、つながれた手を強く握る。
同じものを見て、同じ世界を共有できたことが何より嬉しかった。
「また来ようね」
そう言うと、貴方はその大きな手で頭を撫でてくれた。
どうしようもなく嬉しくて、キスをした。
「ありがとっ」
貴方はまた同じように、驚いて、それから笑う。
「どういたしまして」
いつまでもいつまでも、こうやって過ごしていきたいなんて、
晴れた日曜の午後、貴方の隣で思った。
End.