It's my life
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逢う度に、貴方が無理してるのが分かった。ノックしようとしたドアから漏れ聞こえる、苦しそうな咳。悲しそうなため息。何度、そのまま帰ろうかと思ったことだろう。
それでも貴方に逢いに行ったのは、貴方を愛していたからに他ならなかった。
今日も、バイト先から休みをもらって来ていた。例え給料がもらえなくても、貴方に逢うことの方が大切だから。
痛々しい白に包まれた部屋に、貴方は居た。いつもと同じ病室なのに、何故か無性に涙が溢れて、ベッドの上の貴方を抱きしめた。
「…どうした? 何で泣いてんの?」
不思議そうに問い掛ける貴方の声で、余計に泣けた。
「…好き。大好き」
自然に言葉が出てきた。いつだって言えることなのに、初めて言ったみたいだった。そんな私に、貴方は柄にもなく口にした。
「…愛してるよ」