It's my life

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「あれ? 今日、バイトって言ってなかったっけ?」
「あ、ううん。急に休みになったんだ」
「そっか」

そう言って貴方は笑顔を見せた。嬉しさと同時に、何かがチクリと胸を刺す。


貴方の病気を知ったのは、付き合い始めて一ヶ月位経った頃だった。

「俺、急に入院するかもしれないから、そしたら見舞いよろしく」

明るい声と内容のミスマッチさに、訳が分からなかった。

「何で…? 何で、急にそんなこと言うの?」
「俺さ、昔から持病みたいなのがあって。…みたいなの、ってのも変な話なんだけど」

そう言って貴方が微笑んだのを、今でも思い出せる。

「いつ再発するかわかんないんだよね。だから、よろしく」


どう返したらいいか分からなくて、ただ黙っていた。すると貴方は、明るく言った。

「大丈夫だって! 今はこんなに元気なんだし」

…その時は、その言葉を信じた。


だけど、そんなに簡単な問題じゃなかった。一度入院が決まると、貴方は何ヶ月も帰ってこなかった。もちろん、何度もお見舞いには行った。


でも――
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