世の中には何故か悪い方へと働いてしまう者がいる。 その悪から大事な人を守ろうと、今、ここに勇気ある戦士達が立ち上がった。 |
幸「離せっ!」 森の中で木霊する叫び声。 我等がヒロイン(?)幸村に悪の手先、半蔵の魔の手が忍びよっていた。 幸「手を離せ、半蔵!」 半「主君の命&拙者の欲望により幸村を手に入れる。」 いくら振りほどこうとしても離れない半蔵に幸村は絶体絶命のピンチに追いやられた。 そしてそのとき首から異様なオーラを発しながらぶら下がっているホラ貝を思い出した。 幸「そうだ!これがあれば助かることが出来る!」 幸村は大きな声で、助けてー、と叫んだ後、空気を口一杯に吸い込み不気味なホラ貝へと吐き出した。 ぼえお〜、ぼえお〜。 やる気の無い音。 ホラ貝は見た目やら雰囲気だけではなく音までも不気味だった。 その音が森全体へ、そして森を抜け出し彼等の元へと伝わった。 その時突然、強い風が吹き森の中の雰囲気がガラリと変わる。 ガサガサと木々が揺れ動物達が一斉に逃げ出す。 幸村と半蔵は何が起きたんだとまわりをキョロキョロ見渡した。 そして木々の間を飛び交う黒い影。 段々と近づいてくる影に逃げたいと思ったのは言うまでもない。 そして、とぉっ、という叫び声と共にそれらの影は目の前の木の枝に現われた。 ?「幸村の呼ぶ声あるかぎり!」 ?「「幸村が助けを呼ぶかぎり!」」 ?「天に変わりて不義を打つ!」 ?「今、助けてやるぜ幸村!」 ?「ま、大船に乗ったつもりでいてくださいよ!」 おぉ、と幸村は目の前にいるモノ達にかっこいいと連発しながら拍手を贈る。 それに気を良くした目の前にいるモノ達は再び、とおっ、と木から地面へと飛び降りた。 真ん中「ユキムレッド!」 右隣「ユキムイエロー!」 左隣「ユキムブルー!」 右端「ユキムブラック!」 左端「「ユキムグリーン!」」 五人?「「「「「「我等、五人、戦国戦隊、ユキムレンジャー!」」」」」」 びしぃ、とポーズを決め幸村達の前に立つその姿は各々が叫んだ色で体のラインがわかるような格好をしている。 見ていて痛々しい部分があるのだが、そんなことには気にせず、幸村は益々歓声を挙げた。 そんな幸村に色者五人(?)は気を良くし、意味のわからないポーズを取って益々喜ばせようとした。 たが敵役の半蔵がボソリと確信に近い事を呟く。 それにより、幸村はあたかも初めて気が付いたかのようにハッと目の前の色物達に目を向けた。 幸「そういえばなぜ五人ではなく六人にその‥‥‥ユ、ユ、ユキムレンジャーは見えるのでしょうか?」 半「見える、否、ユキムレンジャーは六人。それより‥‥‥照れる真田に拙者、萌なり。」 さすがにユキムレンジャーと呼ぶには恥ずかしかったようで顔を赤くした幸村にジリジリと近寄る半蔵。 勿論、目の前のカラフルな人達が黙っちゃいなかった。 レッド「そこの忍、俺の幸村に近づくとは良い度胸だ。」 ブルー「おのれ悪の手先め!清らかな幸村が汚れたではないか!」 イエロー「それ以上は、許しちゃおけないねぇ。」 ブラック「あ〜そのくらいにしとかねぇとこの人達プッツンいっちゃいますんで、止めといてもらえますか?」 グリーンA「幸村はお前には勿体ないね。俺みたいにかっこいい男じゃないと。」 グリーンB「馬鹿めっ!幸村は儂のに決まっておる!寧ろ儂がユキムグリーンだというのに何故お主がここにおる!」 グリーンA「それは聞き捨てならねぇな。俺がここにいるのは俺が本物のユキムグリーンだからだ。お前は偽物なんだから、どっかいっちまいな。」 グリーンB「ぬかせっ!儂以外に誰が出来ようか!偽物のお主がどっか行くのが当たり前じゃ、馬鹿め!」 そう、ユキムグリーンがなぜか二人いる。 だが最初の四人はそのことには興味なく、幸村に近づいていく半蔵の事にしか頭になかった。 半蔵から逃げる幸村の後を四人は追い掛ける。 逆にグリーンは自分だと言い張る二人は、その場でギャァギャァと言い争いを始め、どちらが正真正銘のユキムグリーンかを決める事にしたのだ。 幸「うわぁ!こっちへ来ないでくれぇ!」 半「真田‥‥‥萌なり。」 レッド「おのれ、俺の幸村を疾しい目でみるとは!許さぬぞっ!」 ブルー「幸村と追い掛けっこをするとはなんたることだっ!私が共にやろうとしていたのに先を越されるとは‥‥‥羨ましいではないか!かくなるうえは私が幸村を助けそして夢の追い掛けっこを共にしようではないかっ!」 イエロー「なげぇよ、あんた。ここで幸村を助けなきゃ男が廃るってもんだ。今行くぜ、幸村っ!」 ブラック「さて、幸村を助けて、今度お礼でもいただくとしますか。」 レッド「黙れお前等!魂胆がバレバレだ。お前等にも忍にも幸村はやらん!」 グリーンA「っていうかあんた東軍だろ。ここにいるやつらは全員西軍なんだ、おかしいだろ、普通。」 グリーンB「ふん、だからお主は馬鹿なのだ、馬鹿め!そんなこと儂には関係ないわ、馬鹿めっ!」 グリーンA「馬鹿を三回も言うな。この馬鹿眼竜!」 グリーンB「馬鹿と言うほうが馬鹿なのだ、このタラシ馬鹿市。」 幸「どうでもよろしいですから、早く助けてぇ!」 半「影は萌を求めるのみ。」 敵の忍、半蔵に追い掛けられ、絶体絶命のピンチに立たされた幸村の前に現われた五人、否、六人の戦士達。 この後、幸村は無事半蔵の魔の手から救い出されるのか? そしてユキムグリーンは一体どうなる? 背後には幸村に忍び寄る新たな敵が!? そしてユキムレンジャーの正体が明らかに!? どうなる、幸村? どうする、ユキムレンジャー!? 次週 第二章 『救出、無事を喜ぶその影には‥‥‥。 「そんな、あなたは‥‥‥!?」 キラリと光る、一筋の光。 その時、奇跡が起こる!』 乞うご期待‥‥‥しないで下さい。 |