舞い散る桜

□いいんですか
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大好物のタコさんウインナー(要次くん作)を口に含んで彼を見つめた

目を軽く伏せているからか、目に睫毛がかげっているな、なんて数秒見つめていると気付いたのか彼は僕を見て笑った


「どうしたんですか?」
「ううん、なんでもないよ」
「へんな兄貴」


手に持っていたゲーム機を机の上に置いて、彼の横に座った


「今日嫌な夢見てさ」
「夢…ですか?」
「うん…」


喧嘩してる夢

火讐くんが僕を護って、頭を鉄パイプで殴られて倒れていく夢…

僕はただ泣くだけしかできなくて、なのに火讐くんは僕を責めずに笑ってた


「火讐くん…僕を護るのはもうやめて?」
「…ぇ?」
「いつも怪我してるじゃない」
「兄貴?」
「もうやめてね?ぁ、そうだ…離れよっか。僕と一緒にいたら君は怪我だらけだよ」


一方的に話して、僕は立ち上がって彼から離れた

「ちょっ、兄貴!」


彼が呼んでるのを無視して、僕は部室を出て行った

ただの夢なのに…

僕ったら酷いな、なんて他人ごとのように考えながら走ってるといつの間にか中庭にいた


「…ハッ…ケホッ……ハァ…ッ、コホッ」


全力で走っていたからか、息の仕方を忘れたように肩を上下に動かした




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