綻ぶ桜
□もしも僕が…
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「火讐君…」
「兄貴、…いえ、姉御……そいつから離れたらどうですか…」
「ぁ…蓮く…離れっ…ん、…」
「──ッ」
蓮君がギュウッと体を抱き締める
「のヤロッ!」
火讐君は蓮君を殴って、僕を抱き寄せた
「姉御…大丈夫ですか?」
「ぁ…ハイ…」
火讐君…僕が女って分かってから、あんまり話してくれないよ…
ゆっくりと僕を立たせて、火讐君は離れていった
「ぁ…」
『姉御…じゃなかった、御手洗さん大丈夫ですか?』
「ぁ…うん…」
『御手洗さん、さぁ…此処にお座り下さい』
「ぁりがと…」
男だと思われていたときは、すぐ隣に居てくれたのに…
やっぱり僕が女だから?
火讐君は僕に一礼をして、舎弟の集まりの中に入っていった
「御手洗!」
「…何?紋武君…」
「あのよ…誰から聞いたか分かんねーけど…先公がお前が女だって言ってるらしい…」
「え!?」
そんなの…バレちゃったら
火讐君と離ればなれになっちゃうよ…
『御手洗さんを退学にさせるわけねぇだろ!』
『先公が来たら、御手洗さんを隠せっ!』
みんな…ありがと…
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