綻ぶ桜
□イニシャル
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「ぅわっ…2枚共イニシャルだし」
これじゃ分からない。と蓮は一瞬頭を悩ませたが、問題の手紙を開いてみることにした
《御手洗 団吾君へ
俺は君が大好きです!
柔らかな太陽と同じ色の髪
花を見て愛しそうに笑うその優しさ
全てが俺には輝いて見えるんだ
これからも、そんな君でいてください
M》
「俺?」
(ってことは差出人は男?)
「イニシャルM…」
首都高のイニシャルMを頭の中で探し出す
「……あ」
手紙をグシャリと握りしめて、蓮は走った
「おいっ!善罪!!」
「?…あ、東冥のボス」
「…お前、この手紙に見覚えあるか?」
善罪は怒り狂っている蓮によって、顔に突き出された紙をジッと見た
「………俺の字じゃないよ、こんなに汚い字じゃないし」
「え……?お前じゃないのか」
蓮は善罪に一言謝って、もう一枚の手紙も見ることにした
「同じ……字…?」
もう一枚の手紙は、最初の手紙と字がそっくりだった
「イニシャルが……違う」
そこに書かれたイニシャルはR
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