綻ぶ桜

□ただ、ギュッと…
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数年ぶりに再会した2人は、派遣組の部室で懐かしそうに話していた


「…へぇ、偶然倒しちゃったんだ」
「それからが地獄だよ」
「そうか?結構だんごっちは楽しそうに見えるけど」
「え、そうなの?」
「あぁ」



舎弟をみんな追い出したからか、昔の会話が浮上する



「小学生ん時、毎日帰り道に日下ぶっ飛ばすって言ってたよな〜」
「ぶっ飛ばされてばっかだったけどね」
「だんごっちは、多分必要以上に日下にいじられてたと思うんだ」
「へ?」
「ってかだんごっちは、可愛いから苛められてたんだよ」
「い゛ぇ!?ιι」
「ホラ、よく言うじゃん。可愛い子ほど苛めちまうって」
「言うけどさ…僕は可愛くなんか無かったし」


むしろ、ひにゃひにゃのモヤシっ子だったから日下は苛めたくなったんだと思うって僕の予想


「女にしょっちゅう間違われたし?」
「蓮君だってされてたじゃん」
「間違えてた奴に見せてやりてぇな今の俺ら」
「ビックリしちゃうね」


ふと時計を見ると、八時をさしていた


「もう帰んなきゃね」
「そうだな、んじゃぁ…はい」
「え?」
「昔は帰るときいっつも手を繋いでたろ」
「そうだったね」



さり気ない仕草が、彼が変わっていないと教えてくれる



「僕ね、蓮君がこうして手を握ってくれるの好きだよ」
「え?手、握られるのが?」
「うん、ただ…ギュッと握ってくれるだけで、蓮君とまた明日学校頑張ろって勇気貰えたから」


懐かしい手の感覚に目をつむる


「俺はいっつもこうしたかった」


手を繋いだまま、蓮君は僕にキスをした


「ん…んぁっ…ふぁっ、んんっ…」


二人のつながりの後を銀糸が結んだ


「じゃあ、帰っか」
「う、うん///」
「だんごっちったら顔真っ赤〜Vv」
「だって///」




幼なじみから変わるのは


ずっと、握っててくれた手がキッカケでした




(蓮君、力ついたね)




end
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