咲く桜
□伝えられない
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俺の想い人は
凄くライバルが多い
「てめぇらぁ!近づくんじゃねぇ!(僕は女の子とお近づきになりたいのに!)」
それに、狙われてることに気付いてないιι
今日こそ、アタックするぞ!
「あ…兄貴!」
「ん?何?火讐く…じゃなかった火讐」
「あの…///」
「顔赤いけど大丈夫?」
「あ、兄貴!大丈夫です///」
こんな優しい所に惚れちまったんだ//
「あの、兄貴はどんなタイプがお好きなんですか?」
「え?///」
「あ、スミマセン野暮な質問しちゃって//」
「僕…じゃない俺の好きなタイプ…?」
「はい」
「そだなぁ、やっぱり可愛い子がいいなぁ」
「あ…そうなんスか」
…やっぱり兄貴は女にしか興味ないよな…
「何だ?火讐、好きなタレが出来たのか?」
「えぇ、ですけど付き合ってもらえる見込みは0なんです…」
「そ、そうか…(やっぱり不良はモテないのかな…火讐君かっこいいのに…)」
「兄貴…慰めてくれませんか?」
「え?慰める?って言ったら…」
ぎゅっ
「こ、こうかなぁ//」
(あぁぁぁ!兄貴の柔らかい胸が俺の顔を直撃…//)
「あ…兄貴…スミマセン//」
「僕こそゴメンね。こんな慰め方しか知らなくて」
「いえ…(むしろ感謝です//)」
兄貴の背中にそっと手を回した
「大丈夫。火讐にはきっといい子が見つかる」
「そうスッかね」
「うん、でも、どんな子か気になるなぁ」
「…優しいんですよ」
「いい子だね」
「可愛いんです」
「うん」
「でも、本当の自分を隠してる子なんです」
「火讐は、その子のこと本気だったんだな」
「えぇ」
兄貴の本当の姿を俺は知っています
兄貴が番長を好んでないことも…
兄貴が俺等不良を怖いと思ってることも
でも、知っています
兄貴は怖いと思ってる俺等にも優しいことを…
他の誰にも取られたくない
でも番長には、本当の姿でいてほしいから…
「想いを伝えるだけ伝えてみればいいんじゃないのか?」
「……いえ、今の関係が一番良いんだと思うんスよ…だから、あと少し兄貴の胸貸してください」
兄貴に想いを伝えるのは暫くとっておきます
だから、兄貴はいつもと変わらず笑っていて下さい
兄貴の笑顔で俺は幸せなんですから
end