綻ぶ桜
□またね
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「泣かないで、ずっと笑ってられるはずないよ
いつかはどっかで弱いとこ見えてくるから
本当の自分我慢して生きるなんておもしろくないじゃない
ね?れーくん
それと同じで
暴力ふるって心の中が明るくなるワケじゃないでしょ?
だから
思いきって笑ってよ!そしたら僕も幸せになるから」
小さい頃
母親の買い物に付き合って、初めて行った隣町でハシャいだせいか迷ってしまったことがある
道にあった木を持って走り回ってたのがダメだった
いつの間にか公園の噴水の前に来ていて、突っ立っていた
「ヒック……グスッ…」
「ん?」
啜り泣きが聞こえて、泣き声の所に向かっていくと、女の子がいた
「何で泣いてんだ?」
それがあの子に掛けた言葉だった気がする
赤ずきんみてぇな頭だと思った
「だぁれ?…グスッ…」
可愛い声に顔が染まった
…会いたい
あの子に
今どうしてるんだろう…
確かここの角を曲がった所の公園だった
元気だろうか
もし会ったら俺のこと、覚えてるだろうか…
名前…教えてもらえば良かったな
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