綻ぶ桜
□橋の上で会いましょう
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青い傘を差した若い女性と、黄色の合羽を着た子供が、雨の中を歩いていた
「ねぇ
お母さん
虹の橋にはどうやって乗るの?」
『団吾ったら
虹の橋は、乗れないのよ』
「なんで?」
『なんでなのかなぁ、けど、これは乗れるわね』
「フフッ、本当だね」
幼い頃の夢を見た
僕の真上の空に、大きな虹が架かっていた
お母さんに乗りたいと無理を言ったら、お母さんは…
「あれ…」
寝転がった体勢から、右手を顔に乗せる
「なんだったっけ…」
簡単には思いだせないのは当たり前だ
「まぁ、あとでおもいだすだろ」
そう呟いて、団吾は起き上がった
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