舞い散る桜

□いつまでも、なんて
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初めの僕たちの関係は調子に乗った一年番長とそれを殺そうとする二年番長でしたよね

今じゃ信じられないくらいですね


「先輩方には沢山のことを教わってきました」


小さい頃から虐められてきた僕に善罪さんは人の愛し方を教えてくれました


そういえば付き合う前にあんなことがあったの、覚えてますか?


反針高の人たちが首都高を襲って、首都高が勝ったけど怪我人がたくさんでたあの日

僕は怖くて足も覚束ないまま帰って行った


けど夜になって寝ようと思うとみんなが怪我して倒れた姿が思い出されて眠れなかったんです


その時、電話が鳴った


───善罪真───


「ッ、はい…」
『声が若干震えてるね。眠れないんだろう?』
「…なんで、分かるんですか?」
『僕も昔そうなった事があったからね』
「善罪さんも…?」
『ああ。…今、君の家の近くにいるんだけど、出て来れるかい?』
「ぁ…ちょっと着替えてから行きます」
『パジャマでもいいよ。君の事だから可愛い柄なんだろ?』
「はい…って僕はそんな柄じゃないです!」
『なら、そのままでも大丈夫だよね。●●公園にいるから』


そう告げて切られた電話を数秒見つめて、ポケットに入れて家を出た




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