二つ目

□病的希求日記
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『あの、俺も…獄寺君が好きだよ。』

「会いたいです。…と言ったら迷惑ですか?」
『そんな事ないよ!俺も会いたいよ。』

会いたい…

同じ気持だと分かった二人は、携帯を切って部屋を飛び出した。
まだ夜中と言える時間。
まさか、こんな時間に好きな人に会いたいと部屋から飛び出すなんて嘘みたいだった。
暫く走ると、こっちに向かって走って来る人がいた。
「十代目!!」
「獄寺君っ!!」
名前を呼ばれて、顔を見て、ツナは必死に走る。
ツナよりは足が早い獄寺の方が先に来て、ツナを止める。
「会えた。」
にっこりと笑う。

十代目、すっげぇ可愛いっっvV

「ひゃわあΣ」
ツナを縫いぐるみの様にギュウギュウと抱き締めた。

「獄寺君…獄寺君は俺に必要な人なんだ。俺は…今まで誰かに必要とされた事なんかなくて…“駄目”な俺だけど良いですか?」
「俺こそ…貴方が必要なんです。“十代目”としてだけじゃなくて、俺が生きて行く全てに“沢田綱吉”が必要なんです。」
「ありがとう。」
「それは、俺が言う事です。俺なんかを必要としてくれただけで、俺は救われます。」
「…ありがとう。今日も良い天気だよ。良い事があると良いね。」
「はい。」
明けて行く空が夢で見た場所の様に広がる。

大丈夫…この空は俺が見た空なんじゃねぇ。

この空は全てを吸い込んで無くしてしまいそうな空なんじゃない。

俺が求めた…大切な貴方の様な命を救う空だから。



*end*
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