二つ目

□シャカビーチ
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「もしかして…。」
「うん…出前の帰りに、この子が泣いててさ…。」
ツナの後ろで腕をギューと掴んでいる子供に気付く。

そして、すぐに迷子連絡を聞いた母親が走ってきた。
「お母さんっ!!」
「心配したのよ!…君がこの子をここに連れて来てくれたと聞きました。ありがとうございます。」
「いえ!すぐに会えて良かったです。」


「やっぱり、こっちで間違いはなかったのな。」
「何が?」
もしかしたら、出前を終えて帰るツナと会えるかもしれないと思い、救護センターに向かった事を話す。

「ちゃんと、ツナの事見付けられたのな。」
「山本…ありがと。」
「だからさ…ツナ…」
「試合の時も…山本は俺を見付けてくれるよね!」
「え?ι」
「応援に行った帰りも山本はいつも“グラウンドからツナを見付けた”って言ってくれるよ!!」
「………まぁ…事実だから。」
「休憩中なんだよね?ゆっくりしてね?獄寺君一人じゃ大変だろうから俺、先に行くね!」
ポカンとしている山本に手を振って、ツナは人を避けながら店に戻った。
砂で歩きにくいのか、サンダルに砂が入るのか…時々、歩きにくそうにする後ろ姿にクスリと笑う。

俺は…ツナだから、見付けられるのな。
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