二つ目

□AQUALOVERS
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「骸、仕事終わった?」
「誰に聞いてるんです?君こそ、ちゃんと終わりましたか?」
「終わらせたよ。」



チャプン…

風呂には暑くなく、冷たくないぬるま湯が入ったバスタブの中で向かい合いながら、ツナは骸の足の間にいた。
「服…大丈夫?」
「おや、懐かしいですね。それは前に君に言った事ですよね。」
「人が心配してやったのに。」

パシャ!

頬を膨らませながら、ツナは水を指で弾いた。

あれから…十年前のあの夏の始まる前の暑い日に一緒に水風呂に入った日から、服を着たまま風呂に入るのがツナと骸の二人の恒例行事になった。

「ねぇ、綱吉君…。」
「何?」
「少しだけ…世界を止めましょうか。」
「うっ…うわあっ…。」
シャワーを回して、水を出すと窓から入る光に照らされてキラキラと降り注ぐ。
バスルームの気温が下がるが、くっつく体温が心地好かった。
「…駄目ですか?」
「っ…んっ…。」
頬から、髪から伝う水をペロリと舐める。
着ている一枚だけのシャツに手を滑り込ませ、肌に触れた。
緩く動く擽ったい指にクスクスと笑う。
「君は…ここで笑います?ムードも色気もないですね…。」
「擽ったいんだもん。でもね…」
嫌じゃない…

そっと背中にツナは手を回す。

「……どうせ…もう、止めてるんだろ?」
「はい。気付いてました?さすがですね。」

せっかく二人になれるんですから。

フワリ…シャワーカーテンが閉まった。



世界は僕らを失っても変わらずに廻ります…。

燃え尽きそうな、刹那の余韻に…君とどこまで…。


*end*
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