二つ目

□AQUALOVERS
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チャポン…。

「おやおや…服に水が掛っちゃいますよ。」
「………。」

バシャバシャ。

「別に良いよ…」
暑いから…ツナは縁側で桶に水をはって、それに足を入れて涼んでいた。
「そうですか。…どうしたんです。いつもみたいに部屋でガンガンクーラー入れれば良いじゃないですか?」
それも、何か風流ですけど。桶から足を出すツナにタオルを渡しながら、骸が隣に座った。
「クーラーは、昨日、ランボの奴が、壊しちゃってさ…明日まで直らないんだ。リボーンは今朝、さっさとビアンキと避暑地に行っちゃったよ。」
シャクシャクと市販のかき氷を食べながら説明する。
「それは、災難でしたね。」
「本当だよ。」
「で、君はそのかき氷を食べて更にはそのジュースまで飲む気ですか?お腹壊しますよ。」
「いらない?」
骸の問掛けにツナは掬ったスプーンを骸の前に差し出す。
「…いえ。」
頂きます。ツナの手を掴んで口に入れた。
「お前さ…大丈夫なの?」
「何がです。」
「……今日は“本物”だろ…。」
「クフフ…分かりましたか?」
さすがですね。にっこり笑いながら頭を撫でる。
「暑いんだから、あんまり引っ付くなよな。」
頭を下げて、手を退かした。
「それは僕もですよ。今日に限って、クーラーを壊されるなんてね…だけど、今からそんなに暑がってちゃ、真夏に耐えられませんよ。」
「暑いの嫌い。」
「寒いのも嫌いでしょ。」
「どっちも嫌い。」

バシャ!

桶の水を蹴り上げた。
「あ…そうだ。水風呂でも入るか?」
「え…。」
「プールはまだ開いてないし、お金かかるし…それに…」

風呂なら狭いけど、二人で入れるだろ。

良い事を思い付いたとばかりの笑顔。
「…き、君は…「あー、でもお前、水着ないか。」
「え…綱吉君…君、まさか、水着を着るんですか?」
「当たり前だろΣ!!」
「誘っておいて、何ですかその仕打はっっ?!」
「はぁ?!何を言ってるんだ!!誘うって何だ?!俺は一緒に水風呂入らないかって聞いただけだろ!!」
ガシリと肩を掴んで泣く骸に退きながら、ツナは近付く顔を押し返した。

それが、誘ってるんです!!

訴えても、ツナはますます訳が分からないと退くだけだった。
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