最初

□peach
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ツナは、ボウーと空を見上げると、フワフワと浮かんだ雲がゆったりと流れて行った。
どこまでも澄んだ青空は、爽やかよりも、まだ、冬の寒さを表す様な空だった。

「遅いスっね、山本の奴…十代目を待たせやがって!」
「良いよ、別に…獄寺君は時間大丈夫なの?」
「はい!野球馬鹿だけに任せるのは心配ですから…。」
「なら、良いんだけど。」
「…あの…。」
「ん?何〜?」
「あの…これ…///」
「あ!このリボンって!!」
「はい!十代目が以前に食べてみたいって言ってた店のチョコレートです!!」
獄寺が鞄から取り出したのは、デパートのチラシに入っていた期間限定の出店で売っているチョコレートだった。
「今年は“逆チョコ”とかっていうから、受け取ってください。」
「でも…良いの?」
「勿論です!!」
「ありがとう!!…獄寺君はいっぱい貰うだろうから、迷惑かなって思ったんだけど…俺からもあるんだ…チョコ…///」
ツナも鞄から可愛い包みを取り出した。
「じ、じゅ、十代目からのチョコっっ!!Σ」
「そんな大袈裟に喜んでくれるものじゃないよ?ι味だって…不味かったら捨ててくれて良いからね。」
「味とかメーカーなんて関係ありません!!…ん?…あの…もしかして…これ…手作りですか?!」
「うん。」
「なんとっっーーーΣ///」
ツナが“ボンゴレ十代目”で自分は“右腕”を豪語しているのだが、それを越える勢いでツナに“恋心”を抱いている獄寺は、ツナからの手作りチョコに感動と衝撃を受けた。
あまりの喜び様に、雲雀や骸、ディーノ達にも渡しているとは言えなかった。
「お待たせな!!」
「おう!山本っちゃん!!」
「何だι」
「…うん…気にしないで…帰ろうか。」
「だな…。」
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