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□君の好きなうた
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たわいのない話をして境内を進む。
「何か、今年ももう終わるんだよね…早いな〜。」
「そうなのな。」
「来年は、もっと平凡に過ごせると良いなι」
「そうだな〜…今年は色々あったのな。」
「山本には色々、迷惑かけちゃったよね…ありがとね。」
「そんな事ないのな!俺は楽しかったのな!!だから、来年ももっと、一緒にいようぜ?」
「うん!!」
ツナの笑顔と返事にドキリとする。

“来年ももっと一緒にいよう”その言葉の真意は…。

「山本は、残り少ない今年にやり残した事はあるの?」
「うん…あるけど…けど…もう少しよく考えてから行動するのな。」
「どうして?」
「今が大切で、大事だから。」
「そっか。」
「うん。」
トン。と叩かれた肩が切なかった。
人混みの中を進んで、少し早いお参りをして、来た道を戻って、また帰り道。
「それじゃあ、またね。」
「あはは☆またな!!」
ツナを見送り、自分も帰る。
2、3歩足を進めた所で、足を止める。
そして、クルリと向きを返て走り出した。
「ツナ!!」
「え?山本?!」
「良かった…会えた!!」
「そりゃあ、山本が走れば、俺に追い付くよ☆」
「そうか?」
「うん。で、何か用?」
「ツナ…俺は、ツナが…ツナが好きだ。」
「?…俺も好きだよ?」
「いや…だから…俺が“好き”って言うのは…」

チュッ…

「え?え?!えええっー///」
「って意味なんだ。」
「あの…山本…本当なの?」
「本気。マジ!超マジ!!…返事は…いつでも良いから。」
「ううん…今するから…だって、俺も君が好きだよ。」
「ツナ―!!」
ギュッー!!と抱き締めた。
「あははは!!山本、嬉しいけど、苦しいよΣ」
「もう少し、こうさせてて欲しいのな。夢じゃないって思うまで。」

ツナと出会って、君を思う事が俺の生きる力に、なったんだ…。
同じ気持ちだから、今、信じ会える道を同じ歩幅で歩こう…。



*end*
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