最初

□HIGH PRESSURE
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「山本ー。先に屋上行ってるね。」
「悪いなー!」
山本は職員室に呼ばれいた。
「十代目…行きましょう。」
「うん。」
教室から出て反対方向に向かう二人を見送った。
「おーおー…嬉しそうだな獄寺の奴ιそりゃあー、俺が戻るまで二人っきりだもんな…。」
人付き合いが苦手で一人ぼっちだったツナに親友が出来て楽しそうにしてるのは良い事だけど、なんとなく面白くなかった。
「ツナと出会ったのは俺が先なのにな〜…。」
職員室での用事は早く終り、急いで屋上に向かう。
「お待たせー!ツナ、寝てんの?」
「ん…山本?少し寝ちゃった///」
「獄寺は?」
「ファンクラブの子達に追っかけられてるよ。すごいよね。俺なんか全然モテないから、羨ましいかも。…山本も俺と無理していなくて良いんだよ?」
「…何だよソレ?」
目が笑ってない作り笑顔と低くなる声。
ツナが怖くなったのか、少し後ろのフェンスに身を退けて顔を反らす。
「え、あの…山本も人気あるから、女の子とか部活の友達とかクラスの友達と約束とかあるなら、そっちを優先して、「ツナと…先に約束してるから。俺はツナとの約束が一番だし一番大事だから…ツナから“無理するな”とか言わないでくれ…。」
「山本…ごめん。」
「分かってくれたら良いのな〜。」
ツナも山本も何かに安心すると空気がいつもの穏やかな物に戻った。
「ツナがモテたら、俺がツナと一緒にいられなくなるのな…だから…それは嫌だな。」
「なんか複雑だよι」
「じ…十代目〜…ι」
「大丈夫…じゃ、なさそうだね…」
獄寺が女の子達を振り切ってやって来た。
全力で走ってたらしくへたばった獄寺をツナは労っていた。
「マジでさ…安心させて欲しいのな。」
一息付いて声をかける。
「ツナ!」
「何?」
「俺、今年の夏を制覇するから。」
「山本?野球の事?」
「それも…今抱えてるでっかい勝負の事もあるのな。
獄寺、俺は戦線布告したからな?」
「…てめぇ…マジか?」
「おう。覚悟決めたぜ?お前も覚悟しとくのな。」
どんよりした気流が下降した。
低気圧が高気圧に変わる。
気持が晴れていく。
今年の夏はもうすぐそこだ。


*end*
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