最初

□My name’s WOMEN
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「あのね…黒川、ごめんね…昼休み、階段下で電話してたの聞いちゃって…でも、全部じゃないよ!」
「あっちゃー!マジか…カッコ悪いとこ見られたかな。」
「そんな事ないよ!あんなにハッキリ言えるの凄いと思う。俺は電話でもハッキリ言えないし…でも、黒川、切なそうだった…。」
「///…男女でも恋愛は難しいんだよ…同性でも色々、大変みたいだから…恋愛って大変だよ。女だからって甘いだけや泣いてばっかじゃいられないしさ…だからかな…すぐに喧嘩とかしちゃうのって。」
黒板の前の席に座り、少し遠くを見つめて前髪を掻きあげる。
「黒川…カッコ良い…すごい綺麗だよ。」
「はあ?」
「黒川って、キラキラしたのとか可愛いの好きなんだね。」
ツナは携帯を指差した。
「このシールは京子が、“花ぽいっ!”ってΣ」
「うん。分かる。」
「っ〜…///…もう、行くね。彼氏もそろそろ、来るでしょ。それに、気付いてるの女子は私だけだから。あんたが、あまりにも可愛くなるなら、ちょっと見てたら、分かったんだ。じゃあーね。」
自分の席に鞄を取りに行く。
「あははι」
教室の出入り口で立ち止まり、
「…沢田…また、話し聞いてやるから、何かあったら、言いなよ。」
照れてる顔はプライドがあるから見せれない。
ぶっきらぼうに言い残して早足で教室を出た。
昇降口に向かう階段で山本と会う。
「あんたの彼女…?…あれ以上可愛くしたから大変よ。天然、鈍感で、無自覚でしょ?」
「さすが、黒川!バレてたのな〜☆でも、心配、無用!ツナを手放す気なんてないのなー。」
「良い笑顔ねー…早く行ってやんな。待ってたよ。」
少し、人には見せた事ない笑顔が混ざていたが気にはしない。恋する男の顔にも見えた。どっちが夢中になっているのが分かる。
「でも…友達付き合いは認めてよね。」
階段を昇る手摺から親指と人指し指をくっつけたOKサインが見えた。
「…さて…。」
黒川は校門を出て携帯を取り出し着信履歴から電話をかけた。

次の日、ツナは黒川からクリーム色の青いリボンを着けた兎のぬいぐるみのキーホルダーを“お礼”としてもらった。



*end*
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