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□My name’s WOMEN
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「沢田?あんた今日日直じゃないよね?」
「黒川…うん。そうなんだけどね…」
黒板を拭いて、黒板消しをクリーナーで掃除をしていた手を止めて赤くなりがら話す。
「一緒に帰るから、早く帰れるように手伝いしてた…///」
「…そーいや、今日の日直はあんたの彼氏か。そーね、今日は二人きりたし部活もないそうだから、デートの約束でもしたか?」
ツナは唖然としたが、黒川花の質問は間違いではなかった。
頭の中で冷静になり、整理をすると、今からツナが一緒に帰るという名のデートをする事も相手が誰なのかも彼女は知っているという事に気付いた。
「えええっーΣ!!」
「“ダメツナ”と付き合うなんて奇特な奴よね…いや、お似合いよ…補習コンビ。まさしく馬鹿ップルか。」
「うわ!黒川がギャグ言った!じゃなくて!嘘だ…バレてるなんてι…でも…やっぱりそうだよね…。」
赤くなって慌てていたツナがしょんぼりとした。
「さっき、“ダメツナ”と付き合う奇特な…って…そうだよね…。」
「え?あっ!ごめん!!私、そんなつもりで言ったんじゃないの!!」
自分の言葉に軽率さに罪悪感がジワジワと広がる。
「うっ…ひっく…迷惑…だよ、ね…優しいから…きっと…ひゅう…うっく…」
ポロポロと泣き出されてしまいいつもなら、「この野郎!うざいよ!!」と一喝でもしてやれるのだか、泣き顔や涙の儚さと綺麗さに怒る事ができなかった。
「あー…もう泣くなι」
ポケットからハンカチを取り出して、顔を拭いてやる。
「(こいつ…すごい顔小さいし肌スベスベじゃない?!)」
改めて近付くと、小ささや細さ、色の白さを知る。
「(なるほどね…性格も控え目だし…分かる奴には分かるってね…モテル訳だ。私もまだまだかな〜。なんてね☆)」
ふうっー。と溜め息混じりに苦笑い。
「ほーら!早く泣き止め。私がイジメてるみたいだし、可愛いよ…沢田は可愛いよ。だから安心しな。あいつは、同情とかその場だけとかじゃないよ…あんたが信じてるなら間違いないよ。」
「う、ん…。ありがとう。」
「あんたの彼氏は案外、独占欲強いのね。」
「?」
「こんなとこまで、キスマーク付けてるわよι」
少し長い耳の裏の髪の毛を指で掻き上げた。
「///」
「キスマーク位、この歳なったら分かるわよ。それに、そんなとこに…近付かなきゃ分かんない様なとこまで付けるのなんて、独占欲強いとしか言えない。」
「そうなんだ…。」
「何、嬉しそうな顔してんのよ?」
「いひゃい〜Σごめんなしゃい〜!!」
むぎゅー。
と頬を引っ張られた。
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