最初

□我が唯一の姫君…
4ページ/8ページ

ショッピングモールの中に17:00を告げる鐘が鳴り、三人は家路に向かい、山本と分かれるとまた二人になる。
久しぶりに遊べた事が楽しかったのかキャッキャッとはしゃぎながらツナが話しをしている。
獄寺も相槌を打つがその声や笑顔に見とれていた。
「―――で、――――なんだよ?」
(ああ…可愛い…。)
「――しかないって!」
(…可愛い…。)
「―ね。――獄寺君。」
(…可愛い…十代目…可愛い…。)
「あっ、俺はこのまま真っ直ぐだから。」
「十代目!」
一歩前に歩き出す、ツナを呼び止める。
「その…俺ん家来ませんか?靴紐…調節しますよ!」
「うーん…でも…(獄寺君の家か…楽しそうかも☆)お願いしようかな!」
ツナが隣に戻った。
その事で安心感を得た。
さっき、ツナが少し離れた時は言いようのない不安に襲われたのだ。
だから、声が出て、とっさに自分の部屋に理由を付けて誘ったのだった。

「こん位ですかね?」
「うん!ありがとう!!獄寺君にはお世話になってばっかだ…今度何か、お礼しなくちゃ!だね。カッコイイなー♪サイズもぴったり〜。」
「そうスね!」
ソファーに座り、選んでもらい、紐まで調節してもらった靴を嬉しそうに見つめた。
自分も嬉しくなるが、忠誠心や理性を打ちのめす音がした。
「あの…十代目…。」
「何?」
「さっきのお礼の話し…。」
「うん!うん!!」
「…今回だけで良いんです…貴方を俺の好きなようにして良いスか?」
床の上からツナの前に移動して手を伸ばした。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ