最初

□我が唯一の姫君…
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ソヨソヨと柔らかい風か吹いて開いている窓から入ってきて、軽く、ノートがパラパラとめくれる微かな音と教師が説明しながら黒板に書き込む音。
そんな中、トン。と獄寺の机にクシャクシャに丸まったメモ…ノートの切端が届いた。
チラっと、飛んできた方を見ると、クスクスと笑うツナと山本が居る。
獄寺がいない間に席替えが行われて、ツナとは窓側から二列目の後ろの席に山本はその隣の列のツナの隣。
獄寺は窓側の前の方の席だった。
「(何で、あの時に席替えなんてすんだよ!!)」
舌打ちをして、手紙を開くと、
[今日、部活休み!帰りに遊ばねぇ?武
賛成ー!ツナ]
再度、後ろを見るとノートに黒板を書き写していたツナが気付いて、ニッコリと微笑んだ。
微かに唇が動いて、
「大丈夫?」
と聞いていた。
ニッー!と笑ってVサインをするとツナがキョロキョロとしてから恥ずかしそうにはにかみながらVサインをした。
「(可愛いー!!十代目っー!可愛い過ぎっス!!)」
最近、ツナの行動に対する感想が“可愛い”と言う表現が真っ先に出ていた。
ツナの事しか頭になく、行動を一緒にするのは、“右腕”として当然と思うより、出来るならば自分はツナの“特別”として側にいたいと思うようになっていた。
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