最初

□Company
6ページ/8ページ

「お待たせしました…。」
「じゃあ、行くよ。」
再び抱き上げて窓から飛び出してバイクに乗せて走り出した。

昼間は家族連れや旅行客で賑わうサービスエリアも夜中は人も少なくて自動販売機と休憩コーナーしか開いてなかった。
「ん…うわあっ///」
少し回りをキョロキョロしていたツナが顔を赤くして正面に戻した。
「ああ…こんな夜中に男女なんてワケありかもね…。」
「雲雀さん…そんな…冷静にι」
「それ位しかないでしょ。」
「はぁ…ι」
「他人の詮索はもう良いから。飲み終わったなら行くよ。」
「はい。」
「あ、後、これ着て。」
「でも…。」
「僕はそんなに弱くないよ。」
「ありがとうございます。」
温くなった最後の一口を一気に飲み干して、雲雀に渡された学ランを着て、サービスエリアを後にした。
「(…そーいえば…どこに行くんだろ?…また、聞きそびれた。)」
背中を不思議そうに見上げる。
普段からよく分からない行動をする雲雀だが、今は会話の一言一言が優しく思えた。
「(小さい手だよね…普段の君だったら今の僕の行動に…バイクの後ろに乗せられてどっかに連れて行かれるなんて考えられないだらうね。)」
あの出来事以前のツナと今の状態があったらと思うと楽しくなる。
少しずつ空が明るくなるのを確認すると、スピードを上げる。
「(さて、ちょっと急ごうか…)」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ