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□bubbletrap!
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「あれ…?」
「どうしたの?」
「いや…何か忘れ物したような…ちょっと待ってな。」
「大丈夫だよ。」
山本は制服のブレザーやズボンのポケットに手を入れて確認して、カバンの中もガサガサと調べる。
「落し物?さっきの店かな?」
「いや…落とした感じはなかったからなー。…ん…あー!!鍵だ!」
「鍵?自転車の?」
「いや…家の鍵。親父が出前とかでいないときとかの為に持ってんだ。部室に置いてきたバックに入れっぱだわ。」
「じゃあ、おじさんがいないと家に入れないじゃん。」
「そうだな…この時間は夜のために仕入れとか行ってそうだし…。」
「携帯で家に連絡してみれば?」
「いや…それがさ…」
ポケットから携帯を出して見せると、画面が真っ暗の状態だった。
「充電切れちゃったんだね…ャ何だよ、俺ん家からすれば良いんじゃん♪」
「マジで!助かるー!!」
「留守だったら、ゆっくりしていけば良いし。」
「ついでに、宿題しよーぜ☆」
「そうだね。」
バシャーン!!
『うっ…ャ』
来た車が大きな水溜まりを踏んだ。
立ち話をしていたために避けられずにズボンに泥水で汚れた。
「ついでに洗濯もだね…。」
「お願いします。」

―「だだいまー。」
玄関を開けるが室内から人のいる気配はない。
「母さん達、買い物みたい。」
「なぁーツナ―…今、鍵開いてたよな?」
「また母さんは閉め忘れたんだー!」
「じゃなくて!もし空き巣とかいたら…(そうだよ…ツナ可愛いから襲われたりしたら…そんなんぜってー嫌だ!)」
「そうだよね!殴られたり、刺されたら嫌だもん。」
「…だろ…。」
多少ズレたが分かってもらえた様だ。
「(ツナが自分の可愛さ分かってないのが困るのなー…それに警戒しなさすぎだ…)」
「…本!山本っ!どうしたの?自分ん家の電話番号忘れたの?」
「ないからャじゃあ、電話借りるな。」
ツナから小機を渡される。
いつもならすぐ出る相手がいない。あんまり鳴らしておくのも意味がないため切るボタンを押した。
「(いねぇーか…。)ツナ―!電話ありがとなー。お邪魔するなー!」
「良いよー!!山本もちょっとこっち来てー!」
呼ばれた部屋に行くと、そこは洗面所でワクワクと笑顔をさせたツナがいた。
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