最初

□気付いてhoney
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「おはよー!待たせてごめんね。」
「大丈夫っス!!」
「昨日、飛行機大丈夫だった?」
「ああー…俺の便は少し出発が遅れた位でした。着陸できなくて戻ってきた飛行機もあったみたいですが。」
「大変だねー。」
獄寺は昨日までダイナマイトの仕入れにイタリアに行っていた。
たまたまニュースで悪天候で空港がストップしかけていたのを見たのだ。
「じ…十代目?…///」
ツナがじっーと獄寺の顔を見つめていた。
「獄寺君、具合い悪い?」
「具合いなんて悪くねぇすから。心配しないでください!」
「うん。でも本当に具合い悪いなら言ってね。」
「ありがとうございます!」
実際、ロビーで待っている時間が長くて肌寒くていて少し風邪ひいたかもしれないが、三日もツナと離れていた獄寺としては今日は休みたくなく帰ってすぐに風邪薬は飲んでいたが体調的には微妙だった。
そして、途中で山本と会った。
「はよー!」
「おはよ!!山本、良かったね!昨日、試合勝ったんでしょ?」
「ありがとなー!」
「うわあっΣ」
ガシっ!と抱き締めた。
「てめぇー!離れろ!!」
「良いだろー。昨日、会えなかったんだしさ。」
「今後、会わなくて良い。」
「ツナー!獄寺がイジメるー!!」
「あはは…それよりごめん苦しい。」
ぎゅうぎゅうと抱き締められていたのだ。
「悪ぃー。でも、ツナは抱き心地良いし、温かいし放すの嫌なのなー。」
「うるせーぞ、とっと、放せ!」
「ちぇー。…あっ☆獄寺も一度ぎゅってしてみたら?…―出来るわけねぇか。―」
一瞬見せた爽やかな中に黒い笑顔。
「山本?」
「んー?何でもないのなー。」
「そう。あっ!早くしないと遅刻しちゃうよ!!」
「だな。行こうぜ。」
(あの野郎…ぜってー果たす!)
「ふーん…今日は一人じゃないんだ。」
「おはようございます。」
校門前では風紀委員による朝の荷物検査が行われていた。
ツナは最初は怖かった雲雀も今は怖くなかった。
何だかんだで助けてくれるし、応接室に呼び出しだが、行けば何故か、お茶の相手をさせられているうちに怖くなくなった。
「君もさいい加減、その手をどうにかさせたら?」
「手?」
ひらひらと手をふってみる。
「綱吉じゃなくて…」
ぎっ。と山本を睨みつける。
立ち止まる度に山本はツナの肩やら腰に手を回していた。
「気を付けなよ。善い人過ぎる程、危険だからね。」
「…はい。」
「群れてるの嫌いだから早く行って。」
「Σ!はい!行こ、二人とも。」
獄寺と山本の腕を引いて足早に
教室に向かう。
わたわたしている背中と表情を楽しみつつ、溜め息と共に呆れてしまう。
―絶対、あの子は分かってないな…。―
―放課後
「何で、あなたがここにいるんですか?」
にっこりと可愛い笑顔をされて棒読みに質問をする
「彼氏が迎えに来て制服デートは憧れじゃないですか?」
質問された相手もあまりの可愛い笑顔に笑顔になって、それはそれは笑顔になる。
「誰が‘彼氏’?誰と‘制服デート’?」
「クッフフ…そんなの僕が‘彼氏’で君と‘制服…―’」
「果てろ!」
「咬み殺す。」
「ツナー。危ないから下がってるのなー。」
「おっと。」
殺気と闘志を剥き出しにされる放課後の校門前のグラウンドの中央。
はっきりいって、目立ってます。迷惑です。
「あのー…皆さん、自分達のレベル分かってますかー?ってか俺の話、聞いてくれませんかー?あー聞こえてませんね…。はあっ〜…」
溜め息をつくとグローブを取り出して渋々とはめる。
「お前達…良い加減にしろ。」
四人が距離をとっている間に一発、炎を放つ。
「いつも、いつも…周りの迷惑考えろ。無意味な争いは嫌いだ。」
ツナの一喝で嫌われたくないと四人は武器をしまう。
「今日は退きますが、綱吉君は諦めませんから。」
「僕もそろそろ飽きたし、行くよ。」
「じゃあ、俺も部活に行くなー。」
「迷惑かけてすみませんでしたー!!」
「ふう。みんな分かってくれて良かった♪」
グローブを外しながらにっこり笑顔になる。
《可愛いー!!》
「みんな好きだから仲良くしてくれないと嫌ですよ!」
乾いた笑い涙が出てくる。
片想いの君’を手にするには一筋縄ではいかないようだ。

*end*
 

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