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□After story -family- 後編
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ひとまず食事を済ませるとお店の方は臨時休業として、高町家では久しぶりの家族団欒タイムとなっていた。

そんな中、士郎は気を改めユーノに質問した。

「ところで、ユーノ君。今日は他に用事は無いのかい?」

「!?(この人は人の心が読めるのだろうか?)」

「…やっぱり、お見通しですか?」
「まぁ、なのはに関する事だろう?なぁ、母さん」
「そうね。そこの所詳しく聞かせて欲しいわ♪」

ユーノはこの時思った。この二人には敵いそうもないな…と。

「分かりました。全てを話します」

そしてユーノは胸の内に秘めていた話を始める。

「僕はなのはと付き合ってから、今までには感じたことの無い感情が芽生えました」
「なのはとヴィヴィオ、三人でいると何だか自然と心が暖かくなる様な感じがするんです」
「家族っていうのはこんな感じなんだろうかとか…色々考えました」
「僕には物心ついた時には親はいませんでしたし、そういった事に関しては全然無知でした」

ユーノは淡々と語り続ける。

「そんな僕でも、ただ純粋になのはと…ヴィヴィオと…一緒にいたい、そう思えるようになったんです」
「気持ちを表現する事に着飾る必要は無いと分かりました」
「それなら、僕が覚悟を決めなければと思って今、ここにいます」

ユーノは一呼吸し、表情も真剣そのものになる。

「士郎さん、桃子さん」
「お二人から見れば、まだまだ未熟かもしれません…それでも、僕にとってはもう掛け替えの無い存在なんです」
「だから…なのはとの結婚を認めて下さい!お願いします」

そう言うとユーノは二人に向かい頭を下げた。

士郎と桃子は互いに顔を見やると、二人とも小さく頷いた。

「ユーノ君、顔を上げてくれ」
「えっ?」

ユーノは顔を上げ二人の顔を見る。

「私達の意見は最初から決まってたのよ」
「そうだぞ。いつかこんな日が来るんじゃないかと思っていたんだ」
「そ・れ・に、なのはの左手…あれに気付かない訳無いじゃない?」

そう言ってなのはの左手・薬指に光るリングを見た。
どうやら、初めから意見は決まっていたらしい。

「えっ!?じ、じゃあ…」
「うむ、ユーノ君。なのはをよろしく頼むよ」
士郎はユーノの肩をポンと叩きそう告げた。

「あ…ありがとうございます!」

ユーノは二人に礼を告げるとがっちりと握手を交わした。

一方なのはの方はというと…

「あ、ああああ…あの!ふ、不束者ですが…よ、よろしくお願いします…」

顔を真っ赤にし、三つ指をついてそう告げる。

「ふふっ、こちらこそ。なのはに愛想尽かされないように一生懸命愛してあげるから



「そんな事あるわけ無いよ……」


そこからはもう二人の世界に入っていた。
ちなみにこの後同じ様なやり取りが何分にも及ぶ事になる。

「若いっていいわねぇ、士郎さん」
「そうだな。娘の成長を見ていると
特に歳を感じていかんな…」

士郎と桃子は二人から少し離れた所で少ししんみりしていた。

と、そこで今まで会話に入れていなかったヴィヴィオが話し掛けてきた。

「あの…」
「うん?どうしたんだい?」
「なのはママとユーノパパ、どうかしたの?」

ヴィヴィオはそう言いピンクのオーラを放っている方向を指差す。

「あの二人は結婚するのよ?」
「けっこん?」
「そう。う〜ん、簡単に言うとユーノ君が本当のパパになってくれるって事かな?」
「…?ユーノパパはヴィヴィオのパパだよ?」

ヴィヴィオには難しかったかな?
桃子はそう思いながら士郎に助けを求める視線を送る。

「そうだな…つまり、これからはずっと三人で一緒にいられるようになるんだよ」

するとヴィヴィオはようやく話を呑み込めたようだ。

「ほんと?わ〜い、ユーノパパもずっといっしょ〜」

そう言って二人の方へ駆けて行った。

三人は本当の家族となり、より一層絆が深まった。

そして、未来へと歩き始める。

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