庭球:リクエ◎ト

□September Love 2
1ページ/10ページ




――4日目



「多分‥私が悪いんだと思います。」


ポツリと言う実那を 亜希は、心配そうに見つめた。


「悪いって?」

「今度、テニス部の合宿があって その打ち合わせを副部長同士でやってたら‥‥。」



小さく体を震わせながら喋る実那の肩へ、亜希の手が優しくのせられ 実那は、ハッとした。



「無理に話さなくていいから。心と身体を休ませる方が 先だし。」

「いえ、大丈夫です。それで、その‥打ち合わせをしてる最中に、いきなり日吉君が‥キス‥してきて‥。」



「ぇ?!」


「私も、その瞬間、自分に何が起きているのか‥分らなくなって。でも‥その現場を侑士に見られて‥
そしたら侑士、すっごく怒って‥私‥もぅ‥嫌われちゃ‥‥。」



後の言葉は、全て涙と嗚咽にかき消され 実那の悲壮なシャクリ上げる声だけが、部屋の中に響く。



決して実那の方から、『そういう事』はしない。コト、忍足に関しては―――


いわばコレは、予測不能のアクシデント。


その位で… と言うと、侑士に怒られるかもしれないが 少なくとも亜希の頭の中にある、忍足像なら

夜のベットの中でのお仕置き―― 程度で済むハズだ。



ソレが何故、今回 大事な大切な実那の身体を、心を、傷付けるほどの暴行に出たのか?



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ